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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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黒闇抱いて夜をゆく 前編 探偵奇談7

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「はいはい、はよ帰らんと暗くなるよ~」
「もー」
「瑞くんまったねー」
「じゃーねえ」

女子らがキャアキャア散っていく。

「てめえいい度胸じゃねえかオイ。神聖な弓道場で女出待ちさせてヘラヘラしやがってよ」
「俺悪くない!ここは遊ぶことじゃないからもう来ないでってちゃんと言っといたから、そんな睨まんで下さいよ!」
「俺は早く鍵かけて帰りたいんだけど」
「いますぐ着替えてきますッ!!」
「一分越えたら先帰るから」
「急ぐから待ってて下さいよ!」

どうやら鍵をかけるために、まだ着替えていない瑞をずっと待っていたらしい伊吹は、瑞が弓道場に駆け込んでいくのを、腕を組んで仁王の様に見送っている。

「お疲れさまです、主将」
「あれ?どうした一之瀬」

声をかけると、伊吹は驚いたように顔をあげる。

「須丸くんにお客さんが」
「こんばんは。こーずえ先輩ですよね?」

伊吹に向かい丁寧に自己紹介をする颯馬を、郁はあっけにとられて見つめる。

「先輩のこと知ってるの?」
「知ってるよ。壮行会で何回も見たもん。かっこいいよねえ、弓道部。成績も存在も、なんか別格って感じ」

そんな雑談をしていると、瑞が息を切らせて飛び出してくる。慌てふためく瑞は結構珍しい、彼をここまで動かせるのは、我らが弓道部主将だけだろう。