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目黒さんの心霊的事件簿ファイル

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目黒さん曰く、僕についてきたものをかえすには行ってきた場所にもう一回行けばいいらしい。しかしそれだとまたついてくる可能性が高く面倒ということなので目黒さんがするかどうかは微妙だが彼女がしてくれるらしい。
手順はまず目黒さんが準備している間、体をできるだけ綺麗にする。これは体を綺麗にすることによって抵抗力のようなものを高める意味で塩を溶かした水で体を拭いて綺麗にしておく。あとひたすら本を読む。内容はしっかり入れずに軽く読み通すだけでいい。できるだけ量を読むように。と言われた。現に僕は見た目の速読だけだ。本の山も今では小さな机になりかけている。
そして近くには電子機器を置かない。近付かない。これは僕には意味のない事だが、ついている僕がいることによって周りの電子機器に障害をもたらすから被害を防ぐためだそうだ。
目黒さんは本を読み終えたら、一言も喋らず本を一冊持って屋上に再び来いとのことだ。
これを図書室までに運ばせた目黒さんは正気かと思った。軽く見積もって30冊程あるぞ。中には恋愛小説、ホラー小説、推理小説、ライトノベル…見られそうにない官能小説や男同士の恋愛のものまで…。
目黒さん、アンタこれで僕の人生終わったらどうするつもりだ。
山のようにあった本を全部読み終え、一番最後に読んだ本を持ってそれ以外をそのまま放置して図書室を出てて真っ直ぐ屋上に向かった。

「やあ、ようやく来たんだね待ちくたびれたよ」
目黒さんは、長い黒髪にいつもの水色のスカートとリボン、クリーム色のカーディガン、白いシャツ、黒いタイツに白い上履き姿だった。
口を開きかけたが、彼女の言いつけで言葉を発さなかった。
「良い子だ目白くん。詰め込んだ本の量を代償に君についたものを落そう」
目黒さん、今日はお手柔らかに頼みますよと心の中で呟いた。
僕は目黒さんが指定した場所まで歩き座ると目黒さんにお守りをかけられた。
「なぁに。ただのお守りで気休めだ。君はお守りより本を握っていた方がいいよ」
逆にお守りではないのですか目黒さん。
目黒さんはゆっくり僕の周りを歩いて、じっと見つめている。目黒さんとは言えども、美人の人。こうじっと見られるのは恥ずかしくて赤くなる。
「恥は捨てた方がいいよ目白くん。後で君はもっと恥ずかしい事をするからね。」
何でこの人僕の心を読んでるんだ…!と思っていたら目黒さんは君は顔に出ているんだよ、と笑って呟いた。ちくしょう。
「さあ目白くん、目を閉じて精神を統一させるんだ。心の目までは閉じていけないよ」

風が生温く吹き始めて、目黒さんは僕の方に指を指した気がした。


「お前は、誰だ」