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目黒さんの心霊的事件簿ファイル

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「おや目白くん、どうしたんだい」
「目黒さんこそ。役員の皆さんが困ってましたよ」
「何でだ、私の仕事は全部終わらせたというのに。」

部室棟の入り口前にいた目黒さんは先日終わったプールの最終チェックをしていた。
業者が入るのは来年度のプール開き前に行われる。その間に不具合や悪戯がないように生徒会長がチェックする。
教師も教師で忙しい、というのは恐らく建前だろうけども目黒さんはそれで万々歳だそうだ。

「皆さん疲労の顔で真っ青でしたよ。怒涛のペンキが流れてくるーとか!」
「だから事前申請にしておけばいいと言ったんだ…。彼らが決めたなら私は口出しも手出しもしないからな」
「協力って言う言葉はないんですか…」
「私があんなシンデレラのようなことをするとでも?」
「思いません、ね…」

目黒さんなら、きっといばら姫がお似合いだと思います。

「君が生徒会を手伝う必要は無いよ?なんなら私から言っておくが」
「いえ!僕暇なんでちょうどいいかと思って!」
「帰宅部無所属の君は家帰って宿題やって風呂入ってご飯食べて寝るしかないから暇で当然だろう」
「えっ何ですかその決め付け。そういう目黒さんは」

生徒会所属(しかも生徒会長)
文部両道(しかも学年トップ)
家は大企業(しかも政府公認)

「…何でも、ないです…」
「何を泣いているんだ君は何を」
「いいえ…格差社会って奴です、か…」

本当に泣きたいと思った。


「やれやれ。目白くん顔をあげたまえ。学校来てから学校の様子が変だ」
「…仕事、ですか」



「ああ。しかも複数だ」