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目黒さんの心霊的事件簿ファイル

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目黒さんの心霊的事件簿生徒会相談室




「…暑い、暑いぞ目白ぉ…!」
「我慢してください、生徒会っていうだけで特別な特権はありませんしここの冷房は壊れてますから」
「このままでは熱中症で倒れてしまうぞ目白くん!ううう髪切りたい…!」
「切ればいいじゃないですか…勿体無いですけど」
「黒髪のストレートロングな少女、というのは大体天然か完璧…つまり完璧の私に相応しいからこそある髪型なのだよ目白くん」
「ですか」

8月の真夏日。目黒さんは僕を学校の生徒会室に呼び出した。
「君のことだ、恐らく今は家族旅行も宿題も終わらせて暇を持て余して家で寝転んでいたのだろう?」
そうズバリと言い当てられてしまえば、行かないという事も言い出せず(後で何があるかわからないからだ)
僕は制服に着替えて学校の生徒会室へと足を運んだ。

「はい、目黒さんのことですから水分もご飯も飲まず食わずでしょう?」
「おお…!目白くんのお母さまのご飯じゃないか…!緑茶!」
「……それが目的でしたか?」
「君の家のご飯は美味しい、と君の友人が話しているのをよく聞くよ」

僕は目黒さんに家から持ってきた昼ご飯として持ってきたおにぎり二つと緑茶を差し出した。
目黒さんは両手を丁寧に合わせていただきます、と呟いた。
これはお母さんが目黒さんに、と提案してきたものだ。
別に僕は目黒さんにそうしなくてもいいと思ったがそういう訳にもいかないし仕方なく持ってきただけだ。


「ご馳走様。君の母上に美味しかったよと言っておいておくれ」
「母も喜ぶと思います」
「塩が効いててよかったよ。熱中症になるかと思った」
「本当になる所だったんですか?!」
ああ、と笑ってみせてくれたが頼りなく顔は少し赤かった。
だからか目黒さんは緑茶を喉を潤すには充分なほど飲んでいる。

「もう帰りましょうよ…何のために呼んだんですか」
「昔話をしたくてね」

ぎしり、と代々生徒会長に受け継がれると言われた椅子から離れて目黒さんは立ち上がった。


「君は、私が何故“目黒”としか名乗らない理由を知りたくはないかね?」