目黒さんの心霊的事件簿ファイル
「先日、兎が行方不明になっただろう」
「誰か売り飛ばしたんじゃないかっていう噂のあれですか」
「そうだよ。なあに、あれとの関係はわかったんだからそう落ち込むことはない。君の所為でもないしね」
「……。」
「彼らはしょうがない、と決めていたのだよ。それはとても称賛に値する」
「…それでも、彼らは幸せだったんですかね」
「それは私達が問う必要は無いよ」
「…けど、それでも彼らは寂しかったんだね。だから見つけて欲しいと君に、私に知らせたんだ」
私達にしかできないことを、私達はやり遂げたのだよと目黒さんは悲しそうに言った。
心霊的事件簿ファイリング其の三。
→目黒さんの心霊的事件簿花壇相談室。
作品名:目黒さんの心霊的事件簿ファイル 作家名:むいこ