目黒さんの心霊的事件簿ファイル
「ビッグニュース!ビッグニュース!生徒会長の目黒さんが大怪我!」
ビッグニュースが教室内に入りこんでくると教室の中はざわざわと騒ぎ始める。
昨日は、無事夜になる前に家に帰れたのはいいが母さんが泣きそうなぐらいに叫んでた。
最終的に救急車を呼ぼうだの、手術しなくちゃだの騒ぎ始めて父さんが落ち着かせていた。
いつまで経ってもラブラブカップルだなと遠目で見ていた。
診療終了間際、予約してあったため見てもらったがただの打撲で少しひねったという診断が出された。
後で知った事だが、その病院は目黒さんの事情を知っている人だそうで少々助かった。
(普通だったらどうなったらこうなるって聞くもんなぁ…)
そして僕は朝から左手首に包帯を巻いて、病人のように見られながらも学校に登校してきた。
ミーハーな生徒が多い自分の教室は、ビッグニュースを聞きながら僕の方を見る。
クラスメイトの何人かがこっちに来て話かけてきた。
「目黒さんが怪我って何か知ってる?」
「その左の包帯って目黒さんの怪我を守れなかった勲章的な何か?」
「いや、僕も目黒さんが大怪我って今日知ったから詳しいことは知らないけど…」
そ、と言って興味を無くしたかのようにクラスメイトの何人かはすぐに去った。
全部知っている訳ではないから、僕に聞かれても…なあ。
「先生達の陰謀?」「まさか」「信じられない」「あの目黒さんが、」
「どういうこと」「体育祭どうする」「中止?」「え、嘘」
「でも目黒さん、」「怪我してる」「指揮誰がするの」「さあ」
ざわざわと騒ぎ始まる教室は、先生が入ってきたことにより静かになった。
ねえ目黒さん、僕に隠してることって何ですか。
作品名:目黒さんの心霊的事件簿ファイル 作家名:むいこ