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つだみつぐ
つだみつぐ
novelistID. 35940
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自選句集

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2013年



白き指もて蜜柑をむいてくれし人

話すこと特にはなくて雑煮喰う

寝間にまでシチューの匂い春兆す

この桜をずっと見ようねってあの嘘つき

我ら皆生存者なり春嵐

木蓮散る眠る仔犬の上にまで

茄子植えて君と京都の話など

南風君のブラウスふくらませ

小さき蛙ちいさき虫を狙いおり

貸ボートひょいと乗り込む夏帽子

やうやうに光戻りて揚羽蝶

天と地に別れし人よ星祭

振り向けば坂の下なる夏港

農夫らの臍まで濡らし夕立去る

野良着脱ぐ肩に貼付く残暑かな

君去りてなおふたたびに稲実る

忽ちに精霊蜻蛉の国となる

ひと房の葡萄無言で手渡さる

あらこれも要るのと君は唐辛子

まな板の大根の白のふてぶてし

捨つるもの山ほどありて師走かな

また今日も後ろ姿の兎かな

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ネットで俳句の勉強をしていたら金子兜太が名誉会長の「現代俳句協会」というサイトがあって、「ネット句会」をやっていました。
わたしは他の句会でちっとも点が集まらない口語句をここに出すことにしました。
たとえば「あらこれも要るのと君は唐辛子」
つまり、作った句が伝統的だったら趣俳句会と大瀬戸句会、そうでなかったら現代俳句協会へ。

作品名:自選句集 作家名:つだみつぐ