自選句集
2012年
犬の訃報届くみぞれ降る朝
君はあの空色のコート脱ぐ頃か
蕗味噌も持って来たのと両えくぼ
下りホームに手を振る人や春来る
貧乏は疲れること多し春女苑
揚雲雀青の天井突き抜けよ
行く春やもてあましいる独り酒
しあわせになれよそいつと若葉風
過ちを諭す者なし春疾風
陽と水と籠に溢れて胡瓜穫る
抵抗の胡瓜は棘を鋭くし
明日付ける値札を揃え蚊遣消す
軍足のやや乾きおり梅雨晴間
ほら肩にてんとうむしとってあげる
茄子切って俺はあと何度飯を喰う
虚空蔵から猪ノ首鼻へ鬼やんま
新涼のマイマイカブリ急ぎ足
羊雲西へたどれば君住む街
案山子らのひそひそ話夜道行く
もう寝るねぶどうひと房冷えてます
朝冷えや笑顔少なき妻なりき
手袋干して今日の予定が何もない
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わたしの母に電話で「俳句を始めたよ。」と言ったら、「見せて」と言うのでFAXで送りました。すると酷評されました。
母は50年も俳句を作ってきた人なのです。
でも、相変わらずわたしにはきびしい・・・・・・(T_T)
その後しばらく、わたしは句会の前には電話で「こんな句を出そうと思う」と伝え、母に添削してもらうようになりました。
なるほど、ほんの少し変えただけで見違えるようによくなるのです。ああ、こんなふうに詠めばいいのか。
しかし、彼女は時にはわたしが言いたいことを無視して添削した結果、ぜんぜん別の句になってしまうことがあって、それと口語句を認めない人だったし、半年ほど続いた「電話指導」は自然に消滅しました。