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つだみつぐ
つだみつぐ
novelistID. 35940
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自選句集

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2011年



もう行くね 想いは告げず 若楓

いま決めた 忘れることに 新茶買う

なめくじは 仲間か敵か レタス喰う

おもひでの にがさかなしさ ころもがへ

衣更え さらのこころで 会いにゆく

眼があって 素知らぬそぶり 蠅叩き

脱ぎ捨てて 駆け出す童 夏燕

滝の音で聞こえなかったよもう一度

ねえくらげ 時はどっちに 流れるの?

後を見ず駅舎を出れば赤蜻蛉

撫子や君はふわりと微笑んで

淋しさを告ぐる術なし鰯雲

もう寝るねぶどう一房冷えてます

ねえそれでどうなったのと落花生

肌寒や中島みゆきの振られ歌

息白く母たちの旗反原発

外套に碧き孤独を包み居り

風冴ゆる十九の我に悔いのあり

我ら皆生存者なり冬の夜

闇深く蝉みじろぎて冬の夜

失せしもの残されしもの去年今年

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2011年に、「趣味人倶楽部」に書いていた日記を読んだ青森の女性から、彼女が主宰する小さな「ネット句会」に誘われました。
「こんなのでいいのかなあ」といくつか作って彼女にメールしたら「俳句は五七五で書きます。季語というものを一つだけ入れます。改行はせず一行で書きます。」など、俳句の基本をレクチャーされた。それであらためて作ったのが最初の五句です。
(最初は分かち書きをしていましたが、注意されてのちにそれはやめました。)
そのネット句会に出してみたらけっこう評価されたし、彼女からは「ほら、思った通りだわ。あなたには俳句の才能があるのよ。」と言われるし、気をよくして、その句会と趣味人倶楽部内にあった「趣俳句会」という句会にも参加しました。
また、すこしあとに、この市内にも四つほどの句会があることを知り、そのうちの一つ「大瀬戸句会」に参加しました。初めての「リアル」な句会で、ほぼ高齢女性ばかりだったのですがけっこうわたしは気に入りました。

ところで、いくつかの句はいま見ても「わたしらしいすてきな句だ」と思えます。やはり、「初期作品にはその作家の全部が含まれている」という説は正しいのかもしれない。
まあ、自画自賛ですが。


作品名:自選句集 作家名:つだみつぐ