聞く子の約束
(しかし、彼女の車をどうするのか? 僕もバイクをどこに停めておくのか?)そんなことを気にしていると、彼女がこう言った。
「試験会場に停めとけばいいよ」
(自分の学校でもないので、一晩も駐輪しておく訳にはなぁ)と思い、躊躇していると、
「私が言っとくから大丈夫。だって私、そこの理事の娘だから」
(僕)「・・・・・・」
不思議な女性だという気がしていたが、詳しく聞くと彼女は、その専門学校の理事の娘で、大学総長の孫だと言う。更には大学創立者のひ孫だったのだ。
彼女は遠慮なく誘ってきたので、その言葉に甘えさせてもらった。と言うより、もう巻かれるしかないと思った。