小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

聞く子の約束

INDEX|26ページ/51ページ|

次のページ前のページ
 

 僕の左隣が一番よく喋る人だった。
「ヒロは学生でしょ。バイトは何してんの」
「中学生の塾で英語教えてます」
「どれくらい稼いでんのよ」
「月に12〜3万くらいです」
「ソコソコ稼いでんじゃん。じゃ今日は奢りね」
「え? え、えー? こんな高そうな店、無理です!」
「ぎゃはははは」
全然、遠慮のない人だった。

「あなた彼女いるの?」
「ええ、まあ一応」
「どんな娘なの?」
「え? どの娘?」
僕は二股交際をいじられるのかと思ってしまった。
「どの娘って。あんた何人と付き合ってんのよ」
てっきり、キクちゃんはもう僕の二股をばらしてると思っていた。
「キッコ。こいつ最低野郎かも!」
「いえいえ。そんなことないです。聞き違えただけです!」
と必死になった。

 お姉さんたちの話の内容は、他愛の無いないものばかりだけど、少々失礼な言葉遣いだった。相手が年下とかなら適当にあしらえばよかったけど、キクちゃんの手前、そんなことはできるはずもなく、我慢して盛り上げ役になるしかなかった。
 そうしているうちに、僕が呼ばれた理由がなんとなく理解できて来た。この会は、キクちゃん自慢の『若いペット』のお披露目の場だと気付いたのだ。

作品名:聞く子の約束 作家名:亨利(ヘンリー)