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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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目に映された心の解放…。

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これはヤバいぞ~、ヤバいぞ~とその場に硬直して、逃げ場があるかを白モジャから目を離しては戻し、離しては戻し…を繰り返していた。そんな事をしていたら、気付いた時には白モジャとの距離が三メートルほどとなった。
ひろみさんはいつの間にかちょっと離れた所にいるし…。
私は目の前に手を出して、
『ダメっ!!』
と白モジャに言った。
しかし白モジャは聞き入れることなく、一歩とまた近付いた。
そしてまた私は、
『ダメっ!!』
と言った。
それでも白モジャはまた一歩…と近付いた。
それを何度か繰り返した時、腰が引けて足がすくんでる私の出してる手に白モジャの口がくっつきそうな距離となった。
近い!!とかそんな距離じゃなくなった。
目の前…という距離になった。
その瞬間、腰が引けたまま、
『ダメっ!!』
とまた言ったら、白モジャが…、止まった。
出してる手にくっつくかくっつかないくらいの距離で止まった…。
そのまま白モジャも硬直している。
しかし、誰も私を助けてはくれない…。
そんな私と白モジャの状況に旦那さんが、
『へーーーっ!!馬も“ダメ”って分かるんだね。』
の一言で終わった。
そっ…それだけ…?!と硬直したままゆっくり手を下ろした…。
白モジャも動かない。
そんな白モジャに、
『白モジャは噛み付くでしょ!!噛み付くのはなし!!あいちゃんは~、噛み付く馬は嫌なの…。』
と必死で私は訴えた。
そんな姿を…、恥ずかしいけど…、今思えば…、旦那さん・ひろみさん・ゆきの…が見ていた。
なんとも滑稽だったんだろうけど、必死な私は兎に角必死だったから…、必死だったのだ。
そんな白モジャが少し動いたから、ビクッとなった私は、
『ダメっ!!噛み付く馬はダ~メっ!!』
と何度も言っていたら、エサを食べてる黒モジャの後ろに並んでたゆきのが、並んでた列から出て来て、白モジャ目掛けて走り出した。
そして白モジャを遠くに蹴散らした…!!
その姿にみんなで驚いた。
驚いてるひろみさんが、
『…ゆきのが…、助けてくれたね…!!』
と一言。
助けてくれたかどうかは分からないけど、一応…肯いた。
そしてゆきのは並んでいた列に戻った。
戻って餌場の柵から目を覗かせこちらを見た。
そのゆきのと目が合ったから、
『どうも。』
と会釈したら、キリッと目付きが変わって…睨まれた…。
ビビッた私は、
『何故…?!』
とゆきのに問うた。
『“どうも”じゃないでしょ!!あいちゃんの方が上なんだから、“よくやった。”って言わなきゃダメでしょ!!』
とゆきのは怒ってそう言った。
『えっ?!』
と驚く私に、続けてゆきのが、
『“えっ?!”じゃないの!!人間の方が上なんだから、ゆきののした事を褒めないとダメなの!!』
と諭された。
目が合ったまま、
『…はい。』
と返事をしたら、またゆきのに睨まれた。
だから私は目を逸らした。
急にゆきのが怖かった…。
まだ四才の馬に…、怖さを感じた…。
そんなやり取りをしていたら、いつの間にか白モジャがさっきの場所に戻って来ていた。
またしても私は硬直する。
ある程度の距離を保ったまま白モジャがこちらを見つめる…。
そんな白モジャに、
『無理じゃ~。噛み付く馬は無理じゃ~。』
と言ってたら、またしてもゆきのが列から出て来て、白モジャを蹴散らし追い払った。
そしてまた列に戻る。
やっぱり柵の上から目を出した。
“どうも”と言ったら怒られるから、何の感情も出さずに私は固まっていた。
そんな私をゆきのが見張るように見る。
馬に見張られたくないよ~。
そしてまた白モジャが近付いて来る…。
それをゆきのが蹴散らし列に戻る。
その繰り返しが何度もあった。
ひろみさんが何度も驚いていた。
私には驚く余裕はなかった。
どんどん怖くなって、ゆきのが丁度白モジャを蹴散らしてる時に、空いた隙間から私は逃げた。
出入り口からではなく、柵の隙間から逃げた。
その逃げてる時に、後ろから笑い声がした。
ひろみさんと旦那さんが笑ってる…。
何があったのだろう…。
先ずは柵の中から出てからだ。
そして柵の外に出た私は二人の方を見た。
旦那さんが、
『ゆきのが石に躓いて転けそうになった(笑)。』
と言った。
『へ~。』
と肯く私に、旦那さんがゆきのの躓いた後を指差していた。
しかし、私の所からは見えない。
おいでおいでと手招きをする旦那さん…。
だけど首を横に振って私は中には入らなかった。

そのままゆきのは列に並んで、餌場が空くのを待っていた。
しかしいつまで経っても黒モジャはエサを食べるのを止めない。
それを見てひろみさんは何度も、
『黒モジャはいつまで食べてるんだろうね。一番写真撮ることに意気込んでたのに…。』
と呆れていた。
二人はずっといろんな写真を撮っていた。
その姿を私は外から見ていた。
何故、白モジャは二人には近付かない…と思いながら…。
でも一度だけ、旦那さんのリュックのチャックに噛み付いていた…。

一、二時間くらい柵の中で写真を撮ってただろうか…、それからゆきのは個人練習となり、練習場所へと移された。

ゆきのの練習が終わり、ゆきのは小屋へと入れられた。
小屋の中に入ったゆきのと、いつの間にやら小屋に入れられていたワイキータの写真撮影会へとなった。
二頭の顔のアップを撮ったり、馬の髭を撮ったりしていた。
ワイキータがたまたま頭を下げた時があった。
すかさず、ワイキータの耳を触った。
初めて馬の耳を触った。
ずっと柔らかいかと思っていたけど、それは違った。
かなり硬かった。
硬いし分厚い。
ふと、“美味しいのかなぁ~?!”と思ってしまった。
そしたら心の声にワイキータが心の声で返して来た。
“美味しいよ~。お耳はコリコリして美味しいよ~。”
と言って来た…。
なんか…耳を触るのを…止めた…。
それからワイキータの鼻の周りを触り始めた。
鼻は柔らかくて気持ちがいい~。
それもやっと触れるようになった。
初めは怖かった~。
馬の動きがよく分からなくて、ちょっとの動きも速いし重さがある。
だから、この日やっと触れた。
柔らかい。
鼻の穴の縁を触ってたら、ワイキータが鼻の穴を膨らませて変な顔になった。
そんな変な顔のチャンスはそうなかなかないから、旦那さんに、
『今のうち!!今のうち!!ワイキータが変な顔!!急いで撮って!!』
と言って、旦那さんはしゃがんで下から撮っていた。
珍しい瞬間が撮れたと思っていたら、それから何度もワイキータは変な顔を連発した。
それがおかしいようで、ひろみさんはゲラゲラ笑っていた。
ワイキータに、
『変な顔なんて言ったら、ワイキータに失礼だよね~。』
とか言いながらも、また変な顔をしたら、
『ほら、またした、またした。早く撮らなきゃっ!!』
とワイキータを指差し、笑っていた。
そんな中、ゆきのまでもが変な顔になる事もあって、旦那さんもひろみさんも必死に撮っていた。
黒モジャを撮ってあげようと思っていたのに、まだ外の餌場でエサを食べていた。

ひろみさんは遠くから撮るよりも、一部のアップの写真が好きなようで、ゆきのの目のアップを撮ったり、耳のアップを撮ったりしていた。