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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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目に映された心の解放…。

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お知り合いになったひろみさんが、ゆきの(本名)という馬を持っている。
そのゆきのと知り合い、ゆきのの仲間たちの馬とも知り合った。
そんな状況に写真が趣味の私の旦那さんが、
『馬を持ってる人となんかそう知り合えるものじゃないから、ひろみさんに頼んで、馬の写真を撮らせてもらえないか聞いてみてくれない。』
と言い出した。
一応、その想いをひろみさんへと伝えた。
もちろんダメ元で聞いてみた。
しばらくしてひろみさんから連絡が来た。
『もちろん、いいですよ~。私も写真が趣味なので、一緒に撮りましょう!!』
とあった。
すぐに旦那さんへと伝えた。
その返事を聞いた旦那さんは、満面の笑みをしていた。
満面の笑みのまま、
『出来たら…、柵の中に入って撮りたいんだけど…、そこまでは無理かなぁ~。』
と言って来た。
それも一応、聞いてみた。
即、
『いいですよ~。ここの馬たちは人を蹴ったりしないので、大丈夫ですよ~。』
という返事が来た。
またも満面の笑みの旦那さん。
私も二人に紛れて柵の中に行こうと決めた…。
な~んにもしないのに、そうしようと決めた…。
そんなやり取りをしていたら、ゆきのが私の横に現れ嬉しそうに、
『ママが来るの~。楽しみ~。お写真撮るの~?!お手伝いするね~。』
と言って来た。
それをひろみさんへとお伝えしなきゃ~!!とメールを打ってたら…、関係ない黒モジャ(ポニー;本名;タリ)がキリッとした態度で私の前に現れ、
『わしの事も撮ってくれ~。』
と言い出した。
なので、その事もひろみさんへとメールする。
メールを受け取るひろみさんも困りながら、
『みんなで、写真撮影会しますか~っ!!』
という始末。
ひろみさんの優しさあっての黒モジャも撮影…。
なので、私が黒モジャに言うしかないと…。
『黒モジャ、あんたを撮るんじゃなくて、ゆきのの写真を撮りたいと…、そう言ってるんだから…。』
と言いくるめてたら、
『わしゃ~、いい顔するよ~。わしゃ~、蹴散らすっ!!』
と言い返して来た。
しかも自分を売り込んでまで来た。
でも、蹴散らしたら…写真撮れないし…、と思ってたら、
『そりゃ~、本能じゃっ!!仕方ないっ!!わしゃ~、蹴散らすっ!!』
と同じ事を繰り返す…。
ゆきのの写真を撮ると言ったのに、一番張り切ってる?!のは黒モジャというちんどん騒ぎで始まった。
やっぱりその事もひろみさんへと伝えないと…と思うので、伝えた。
案の定、ひろみさんは、困ってた…。
そして笑うしかないメールが届いた。
こんな事で上手く行くのか心配だった。
それでも、まあ何とか撮ってみましょう!!となった。
という事で、スケジュールを合わせ、富士宮にいるゆきのの所へといざ出陣した。

馬の所へ着いたら、一頭のポニーが調教師さんからの練習を受けていた。
その他の馬たちは柵の中を自由に生きていた。
ひろみさんが、
『写真を撮るのに丁度いいね。』
と言った。
旦那さんは車から降りると、すぐにカメラの用意を始めた。
…早いっ!!
私は馬たちを柵の外から見ていた。
カメラの用意が出来た旦那さんは、先ずは柵の外から写真を撮り始めた。
エサを食べてる所から撮り始め、柵の反対側に周ったりして撮っていた。
そしてそれを見たひろみさんもカメラの用意をして来た。
二人とも大きなカメラを持って、せっせと写真をパシャパシャしている。
何が楽しんだか…とどうでもいい私…。
そして二人がどんなカメラを使っているのか…という話になり、なんと…同じカメラだったっ!!
私はそこにだけ驚いた。
でも二人はそれ以上に会話が弾み…、私は付いて行けなくなりましたとさ。
『分かりません!!』
という一言で終わった。
そんな事を馬たちに愚痴っていた。
馬が愚痴を聞くかは分からないけど…、それでも言っていた。

そして、ひろみさんが、
『あいちゃん(仮名;私)、おいでっ!!』
と言ったので付いて行ったら、柵の中に入る…という事だった。
私としては、イメージ的に…ライオンの柵に命を捨てる覚悟で入る感じ…。
覚悟を決める間もなく…、
『早くっ!!入ってっ!!』
と言われ、…入った…。
そして扉を…閉められた…。
“怖い…。”という言葉しか頭を過ぎらなくなった。
行く前までは、入る気まんまんだったけど、いざその場を目の前にすると足がすくむというもの。
ひろみさんは待ってはくれない。
だから離れないように、左右をキョロキョロしながらひろみさんの後ろを付いて行った。
まるで馬のエサにでもなったようだった…。
馬は草食動物だけど、そう感じた。

柵の中にも餌場は一ヵ所ある。
並んで二頭が食べられるようになっている。
ゆきのと一番大きな馬のワイキータ(本名)がその時は食べていた。
食べている後ろに黒モジャがいた。
何をしているのかと思ったら、エサを食べている馬が食べ終わるのを並んで待っているとの事。
…?!馬の渋滞?!滑稽な姿だった~。
しばらくしてゆきのが出て来た。
その後に黒モジャが進んでエサを食べ始めた。
本当に並んでた。
マジメだ~。
馬から学ぶ所ってまだまだありそうと思った。
馬たちの上下関係はあるのに、それは別としてちゃんと並んでる。
人間も学ばなきゃ…と肯けた瞬間だった。

ゆきのが出て来たので、撮影会がいきなり始まった。
いつの間にやら旦那さんは柵の中に入って来てたし…。
ゆきのがこっちに近付いて来るから、後退りしてしまった。
ひろみさんが間に入って、
『大丈夫だから、来てごらん。』
と言う。
でも、そう簡単じゃない…。
そんな私にじっとしてくれるゆきの…。
柵の中で見ると、また一段とデカい!!
そんな大きな馬をそーっと触ったり…。
じーっとしてるかと思いきや、いきなり柵の中を走り回ったり…。
そういう時はビックリするし…。
そして戻ってくる。
何スタートか全く分からない。
馬の本能って分からない。
そんな中、私は柵の中を見渡し、
『何か…、今日の馬は変…。』
と言ったら、
ひろみさんも同じように見渡し、
『確かに…、おかしいよね~。みんなめちゃくちゃ…。』
と言った。
私は肯き、
『いつものまとまりが全くない。何でだ?!』
と言った。
ひろみさんも、
『本当にね~。…でも、まあいいんじゃない!!写真撮れるし…。』
という無理矢理な答えに行き付き、また写真を撮り始めた。

ワイキータと黒モジャがずーーーっとエサを食べてる中、白モジャ(ポニー;本名;ニコ)が練習から帰って来て、柵の中に入れられた。
柵の中に登場した白モジャを見た瞬間…、
“あっ、こいつ…、噛み癖のある馬だ…。”
と思い出した。
その瞬間、私は白モジャから目を離さないように、常に目のレーダーを白モジャに向けていた。
そんな私に、真っ直ぐそしてゆっくりと足音を立てず近寄ってくる白モジャ…。
これはヤバいぞーーーっ!!どうしたもんか…と考えが、走馬灯のようになり始めた。
白モジャがいつ来ても良いように、ひろみさんを盾にしながら白モジャから目を離さず…。
そんな私に気を使うなんて馬はしないから、ゆっくり白モジャは近付いて来る。