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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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目に映された心の解放…。

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旦那さんは顔だけじゃなく、後ろ姿やお尻のアップを撮ったりしていた。
私は、…逃げていた。

そして暗くなって来たので、撮影会の幕は閉じられた。
一番撮る気だった黒モジャはエサを食べ続け…食べ続けて、日が落ち帰る頃にやっとやって来て、ポカ~ンとした顔をしていた。
『わしゃ~、今日、何をしたのじゃ?!』
という顔だった…。
その顔を見て、またみんなで笑っていた。
ひろみさんが黒モジャに、
『黒モジャ~、あんたが一番やる気だったのに~、ずっと牧草食べてて…。それで今頃来ても遅いよ~。』
と笑っていた。
そう言われる黒モジャは、尚もポカ~ンとしていた。
その間に他の馬たちは、たくさん人参を食べていたのに、黒モジャは、
『ワシの~、人参は~ないのかの~。』
と言うので、ひろみさんへと通訳した。
そしてひろみさんが、
『ずっと草食べてたのに、今頃になって人参って…。黒モジャ~。』
と言いながら、ほとんど残っていない人参を一本あげていた。
その後、私がもう一本人参をあげた…。
黒モジャは言っていた。
『わしゃ~、今日の人参は二本だけかの~。』
と…。
仕方がない…、黒モジャさん。
そういう時もあるって事よっ!!

そして全て終わり、ひろみさんが、
『本当に今日の馬たちはおかしかったね~。どうしてなんだろうね~。ワイキータも普段しないあんな変な顔して…。ゆきのは白モジャを追い払うし…。ね~、何だか不思議だったね~。』
と言っていた。
私と旦那さんは馬の事なんて分からないから当然だけど、馬の事を知っているひろみさんさえも首を傾げるほどの光景だったようだ。

そしてその日の夜、その理由が分かる事となった。
馬たちみんなが私の目の前に現れた。
“えっ?!”と驚いてる私に向かって、
『どう?!面白かった~?!みんながめちゃくちゃだったのは、わ~ざ~と~っ!!』
と楽しそうに笑いながら言って来た。
それでも私は驚いている。
どう反応したらいいもんか…と。
そんな私に黒モジャが、
『楽しかったの~。また、写真撮影会したいの~。する時は~、また教えておくれ~。ワシたちは、またやるで~。わしゃ~、蹴散らすで~!!』
と全く参加してなかったのに、あたかも参加したかのようなセリフを言って来た。
でもまあ、馬たちの行動に、一本取られたような気持ちだけど、なんだか気持ちのいい一本だったなぁ~。