小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

からっ風と、繭の郷の子守唄 第101話~105話

INDEX|10ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 


からっ風と、繭の郷の子守唄(104) 
「前橋の市街地を見下ろす、高台にある日帰り温泉施設」

 「夏から秋にかけて、たくはん康平はんのスクーターに乗せてもらいました。
 さすがにこの季節になると、スクーターの2人乗りに無理があります。
 前々から考えとったさかい、ついに手に入れたんどす。
 群馬は車が無いと、ほんまに不便どすなぁ。
 これで電車やバスの時間を気にせんと、いつでもどこでも
 自由に、出かけられるようになりました」

 野良着から着替えたばかりの康平が、助手席へ乗り込む。
千尋の赤い軽自動車が赤城の山麓に沿って、西へ向かって走りはじめる。
ぎこちない運転は、ペーパードライバーの期間が長かったためと思われる。
しかし。走るに連れて少しずつ、落ち着を取り戻していく。