小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

からっ風と、繭の郷の子守唄 第96話~100話

INDEX|7ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 


からっ風と、繭の郷の子守唄(98)
「美和子が語る女の気持ち。それに聞き耳をたてている女医の先生」

 「ほら。すぐ、そおんな風に泣きそうな顔をする。
 困りますね、あなたには。
 優しすぎるあなたのことだから、どうせまた、途方に暮れているんでしょ」

 美和子がため息を漏らす。そっと、手で康平招く。
『そんな事だろうと思って早めに来たの。でも、ここじゃまずいわ。
人が多すぎます』康平を目の前に立たせたまま、美和子が周囲を見回す。

 9時を過ぎた病院のロービは、時間とともに人の出入りが増えてきた。
『表のカフェに行きましょう』そうつぶやいて、美和子が椅子から立ち上がる。
すこし重そうな様子に、思わず康平が自分の右手を差し伸べる。