からっ風と、繭の郷の子守唄 第91話~95話
からっ風と、繭の郷の子守唄(93)
「本音を言えない貞園は、実は、常習の過呼吸症候群の持ち主」
「初めてとはいえません。常習性の過呼吸症候群です」
貞園の診察を終えた女医先生が、きっぱり言い切る。
手当を受けて落ち着きを取り戻した貞園は、寝息を立てて眠っている。
「常習性?。しかし、今までに一度も目撃した記憶がありません」
訝る康平へ、「間違いない無いと思います」と女医先生が、自信たっぷりに微笑む。
「廊下でお話しをしましょ。
患者さんには休んでもらうことが一番です。部外者はお外で」
女医先生が、康平と千尋を目で誘う。
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 第91話~95話 作家名:落合順平