イメージ 〈詩集〉
“汚れちまった悲しみに”
清純そうで少し陰りを帯びた君
中原中也という詩人が好きで
なかでも好きだというフレーズが
“汚れちまった悲しみに”
今は聞き流してしまおうか
清純さは汚れを目立たせるのか
それを知るのは怖い気がする
想像としての汚れならいいけれど
“汚れちまった悲しみは”
背負って行けるのだろうか
白く気高く整った造形がいい
“汚れちまった悲しみに”
そんなフレーズは忘れてしまおう
ほこりなら雨で流れてしまう
汚れちまうことなどない
“汚れちまった悲しみに”
別れを告げよう君は美しい