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からっ風と、繭の郷の子守唄（83)　
｢時間つぶしに訪れたアウトレットに、運命的な再会の場が待っている」

　｢貞園。アウトレットへ寄って行こう。
　このまま帰るには早すぎるもの。
　家に帰ったところで用事もありません。
　アウトレットで時間を潰して、それから高速で帰りましょ」

　バツイチが、後部座席から貞園に声をかけてきた。
教会での挙式のあと、カフェレストランを借り切っての祝賀パーティは、
２時間あまりで、早々とお開きになってしまった。

　｢そんなものよ。新婦は妊婦だもの、時間的にも限度です。
　１時を回ったばかりだよ。
　暇を持て余している３０女が、新幹線にのるには早すぎます。
　行こうよ貞園。アウトレットへ。お洒落な洋服と、男たちを物色しに」