からっ風と、繭の郷の子守唄 第81話~85話
からっ風と、繭の郷の子守唄(84)
「大自然を眺めながら、二人の女は何故か密談の真っ最中」
「上品で光沢感のある、サテン地のクラッチバッグは素敵です。
でも私には、どうしても手に入れたい、もっとお気に入りのバッグが
ひとつだけあるの。
質問してよ、私に。それはどんなバックですかって」
リボンの形を表現したフェミニンのバッグの前で、突然のことに
千尋がとまどいの表情を見せている。
高飛車の貞園が、さらに一歩を詰め寄っていく。
「あんたをエスコートしてきたはずに、康平はどこへ消えたの。
デートの真っ最中だというのに、女を1人にするとは失礼な奴だ。
気の利かないあの男は、一体どこへ消えたのさ」
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 第81話~85話 作家名:落合順平