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文目ゆうき
文目ゆうき
novelistID. 59247
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睡蓮の書 一、太陽の章

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 ラアはごくりと唾を飲む。自身に不足した部分をはっきりと突きつけられた。あまりに具体的で、誤魔化しようがなかった。またそのため、それはラアの意識を確実に変えるきっかけとなったのだった。
「さて」
 と、ケオルは立ち上がり、重い空気を払拭するように声を上げる。
「前置きにずいぶんかかってしまいましたが……はじめますよ。ああ、遅れてきた分は時間を延長しますから、そのつもりで」
「え、……エ―っ!!」
 ラアはほとんど反射的に非難の声を上げていた。「そんなことしてたら、暗くなっちゃうよ!」
 するとケオルは振り向いて、
「光を生み出すことくらい、朝飯前、ですよね」
 そう言うと、にっこりと笑顔を浮かべてみせるのだった。