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トマは働きに出てから、私を学校まで迎えに来てくれるようになった。
「悪い男に絡まれないように、守ってあげる」
と言った。
トマは、ドンキホーテで私が欲しがるもの全部買ってくれた。

ある日の放課後、同じクラスの男子とたまたま校門まで一緒に歩いた。
担任の先生のハゲ具合について話して、バイバイと言ってわかれた。
相変わらず私はトマが待つ車へ、駆け足で向かい「トマただいま!ありがとう」と言って乗り込んだ。

トマが言った。
「あいつのことが好きなのか?」
一瞬あいつとは誰のことをさしているのか意味がわからず、宙を仰いだ。
私は「あいつって、さっきの男子のこと?」ときくと
トマは「あいつとメールとかしてるの?」と聞き返された。

全く会話は成立していなかった。
しかし、トマはひとり言のように話を進めた。
「最近、スカートが短くなったんじゃないか」
「そういえば昨日眠そうにしてたよな、俺といてもつまらないのか」
「もう好きじゃないのか」

私はトマの言っていることが理解できない。
でも、トマが不安に思っていることは理解できる。
「私が好きなのは、トマだけだよ」

「好きじゃ足りない。信用できない」
「…?愛してるよ。」

その日から、トマはエスカレートしていく。


トマは最近、仕事が忙しい。
それでも、私たちはデートを重ねている。
それは、私がトマの家にいることが多くなったからだ。
おかげで、トマの母親とも妹とも話しやすくなった。
いまのうちに仲良くなっておいたら、将来はきっと楽なはずだ。

かわりに、実の家族とはあまり話さなくなった。
とくにお母さんは、私を見るととても悲しそうな顔をする。
「最近全然、家に居ないね」と言われる。
そんなことを言われても、私はトマを愛していて、ちゃんと結婚もかんがえてる。
結婚したらあなたたちのそばからいなくなるのだから、むしろこのペースで会える現状に感謝してほしいくらいだった。

トマは私のものだし、私はトマのもの。
そんなのは常識なのに。

だから、お互いが悲しくなるような異性の連絡先は全部消した。
このまえわ
「もう連絡を取れません、今までありがとうございました」
と、ぜんぶの異性に送ってからは、私達はとても安心な毎日を送っていた。
今日も、明日も、明後日も、トマと抱き合って眠るのだ。
愛しているから。

作品名:返信不要。 作家名:もめん