返信不要。
「私はもういい。
あなたとは違う。
トモアキなら、もういい。どうぞ。
私は、誰かを不幸にしてもいいから
その上に自分の幸せを立てよう、と思わない。
そこに100%の幸せは存在しないと思うから。」
素直に簡潔に、話した。
伝わるか分からなかったが、伝えるために。
トモアキが、呼吸で驚いたことは、
そちらを見なくても伝わった。
モモコは無言で驚いていた。
そして、すすり泣く声が聞こえてきた。
自分に少し呆れた。
我ながら、仏のように思えた。
考えてみれば、
モモコは最初は純粋にトモアキを好きになったのかもしれない。
しかし煮え切らない関係に苛立ち
私を悪者にしたかったのかもしれない。
そんな達観さえも覚えた。
私は、100メートル上空からこのやり取りを見ていた。
これは達観なのか?
いや、私はこれをもっと身近に知っているような気がした。
…おかあさん…?