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サヨナラとハジメマシテ

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迷いながら歩いていた、その時に。
彼女に、リーファの生き写しのような子が目に入った。

「………」

その子はじっと俺を見つめていて。
俺も静かに見つめ返した。
そして、その子はフワリと微笑む。
その笑顔がリーファに重なって、思わずその子を抱きしめていた。

「…リーファ」

呼んではいけない、この子は違う。
そうわかっていても呼べずにはいられなかった。
もう一度、会えたような気がして涙が止まらない。

わけが分からないはずなのにその子は俺の背中におずおずと腕を回してくれる。
そのまま、頭を撫でられた。

まるで優しく慰めるように。
それが俺の胸の中の棘を溶かしてくれるようで、自然と涙が頬を流れる。
それをこの子は、静かに見守ってくれていた。

しばらくして体を離せば、また柔らかい笑みが返ってくる。
ただ、それは子供のような無邪気な笑顔で今度こそこの子はリーファとは違うのだと感じた。

なによりも、目についたのは瞳の色。
輝くそれは金色で、長い黒髪にとても映えている。

まるで。

「黒猫のようだな」

ポツリと呟けば、キョトンとした表情が返ってきて思わず吹き出す。
そんな彼女に目線を合わせ微笑み、挨拶をした。