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サヨナラとハジメマシテ

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「初めまして、俺はシャオ。君の家族になる者だ、よろしくな」

すると、彼女は嬉しそうに笑いながら俺の名前を繰り返す。

「しゃ…お?しゃお…、しゃお!」

まだまだ舌足らずな口調は外見とは違う子供のような印象で、微笑ましく見えた。
守りたい、とそう思わせる何がか彼女にはある。

「君はフェイマオ、黒猫という意味だ。その容姿にぴったりだろう?」

まだ俺の名前を繰り返している彼女の頭を撫でながら彼女の名前を告げる。
すると彼女、フェイマオは嬉しそうに俺に抱きついてきた。

「 」

耳元で囁かれたその言葉は、俺の世界に色を付けるには十分で。

リーファに別れを告げることがやっとできる。
フェイマオを抱きしめながら脳裏には、彼女の笑顔が浮かんでいた。

『シャオ』

リーファ。
愛してる、きっといつまでも。
だけど、さよなら。

ありがとう。

『ええ、私も愛してる。ありがとう、さよなら』

彼女の優しい声が聞こえた気がした。

『はじ、めまし、て。あり、がとう』

そして彼女とは違う、優しい声がまた俺の傍で響き渡る。



【了】