小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

歪んだたより 探偵奇談4

INDEX|40ページ/40ページ|

前のページ
 



「伊吹先輩」

瑞が呼ぶ。呼ばれて我に返る。いつの間にか郁も戻っていた。セミの声が戻ってくる。ぼんやりしていたようだ。

「三人立ち練習しませんか?」
「あたし、まだタイミングとかよくわかんなくて」
「慣れりゃすぐだよ。先輩、頼みます」
「わかった」

練習熱心な二人の指導に戻ることにする。
頭を悩ませる問題は消えないけれど、いまは無心に弓を引きたい気分だった。

「暑い~海とか行きたい~」
「もうクラゲ出るだろ、お盆だし」
「おまえら集中しろー」

夏は過ぎて、やがて秋が音もなくやってくる。
伊吹の心に、ほどけない結び目を残して。





.