小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

歪んだたより 探偵奇談4

INDEX|12ページ/40ページ|

次のページ前のページ
 

ついてくる



「あれ、伊吹先輩マガジン派なんだ」
「おまえはジャンプ派か」
「マガジンってエッチなの多くない?」
「……」
「多いよね?」
「だからなんだよっ!」

近くのコンビニで時間を潰していた瑞と伊吹は、血相を変えて駆け込んできた郁の形相をみて驚いた。

「ちょっと、ちょっとやばいよ!」
「どうした、なんかでた?」
「ストーカーじゃなくて、幽霊だよ!しかもアクシツな幽霊!」

ぜーぜー息を切らす郁を落ち着かせ、とりあえず話を聴くことにする。近くのファーストフード店に場所を移し、事情を聴くことにした。

「……噛まれた?」
「うん、突然…ガブッて」

足を見せられる。くるぶしの少し上、うっすらと歯形が見える。郁と二人でいるときに噛まれたという。部屋には間違いなく二人しかいなかったと、郁が何度も繰り返す。アイスコーヒーを飲み干してなお、興奮が収まらない様子の郁を見つめ、瑞はそうだろうなと冷静な頭で思う。

(そしてたぶん、誰が部屋に行っても噛まれるのは怜奈さんだけだ)

一目怜奈をみたときから、怪異の正体に大体の予想がついていた。今、瑞が見えているものを伝えたら、ここにいる全員に卒倒されかねないから言わないが。

「ねえやばいよ。あの部屋。怜奈さん、やっぱ出た方がいいよ」
「うん…でも…」

戸惑う風の怜奈を観察し、瑞は告げる。

「部屋を出る必要はありませんよ」