僕の好きな彼女
ふむ、と僕は頷いた。
彼女の言うとおりであれば、その目的は分かった。
ならばあと、尋ねたいことはひとつくらいしか無かった。
実際、相当バカバカしいとは思うがこの時点で、僕は彼女の手伝いをしても良いかと思いかけていた。
危ない橋なのは分かる。
だけどこんなこと、多分この先一生かかってもあり得ないだろう。
それによく考えればアドバンテージもある。
何しろ彼女は『近くに来れば犯人が分かる』という。
危険人物と対峙するようなことになりかけても、それ以前にレーダーのように相手がそこに居るのが分かるのなら、そもそも直接の接触を回避することは容易なはずだ。
だから、
「もうひとつだけ。『時間が無い』って、どういうこと?」
僕は、最期に一番気になっていたことを尋ねた。
すると、急に彼女は僕をきっと見つめ直して、