僕の好きな彼女
「今ここにあるのは私の中の『波』だけだから、線香花火の燃え尽きる前の輝きみたいなモノだから、消えてしまうまでに残された時間はきっと長くないの。それは私のことだから、私自身のことだから、説明はうまく出来ないけどようく分かってる。おかしな話かも知れないけど、私がここにいるのは『執念』のようなモノがあるから。アイツにもう一度会いたいって気持ちがあるからだと思う。
でも、そんな気持ちもきっと消えてしまう。
ヒトの気持ちって長くは続かないから。
怒りだって、悲しみだって、いつかは消えてしまう。
目覚めたあとの夢のように、跡形もなく、あったことすら忘れられて。
私は今の私をここに残して留めるのが、最期の怒りで悲しみだと思う。
ここにそれがあるうちに。
私の馬鹿な願いが叶うなら、せめて流れる涙が乾いてしまわないうちに、って」