からっ風と、繭の郷の子守唄 第66話~70話
からっ風と、繭の郷の子守唄(67)
「古墳時代にヤマトから伝わってきた絹が、やがて群馬の源となる」
「絹は、ヤマトの軍勢が持ちこんだと考えられている。
川を遡ってきたヤマトの軍勢は、湿地がひろがるこの一帯へ上陸した。
利根川はここから上は、流れが急に強くなる。
川幅も狭くなる。
湿地は稲作の水田に適している。
大地が乾き始めるこのあたりから北が、桑の畑にされた。
天神山古墳がつくられた100年ほど後、ここで生産された太古の絹、
『仁田山絹』が、朝廷へ上納されている。
仁田山はここから10キロほど北に位置しています。
現在の桐生市あたりです。
桐生には、絹のまつわる織姫伝説が残っています。
都へ仕えた若者が宮中で働らいていた女性を嫁にめとり、
田舎へ連れ戻ります。
その女性が、絹の織り方を教えたことがはじまりと記されています」
「その伝説なら、私も聞いたことがあります。
ご神仏の岩から、今でもトンカラりと音が鳴るそうです。
1度、行って見たいと考えています。
そういえば、お隣の足利市にも、織姫神社がありますねぇ」
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 第66話~70話 作家名:落合順平