からっ風と、繭の郷の子守唄 第61話~65話
からっ風と、繭の郷の子守唄(63)
「やぐらの有る建物が林立する路地道を、腕を組んで歩くふたり」
「スクーターを置いて、歩いたほうが見て回りやすい。
15分もあればすべてを見て歩ける集落だ。
明治のはじめに形が作られた集落だ。道路もろくすっぽ整備されていない。
まぁ。桑畑の中に突如として建てられたものばかりだから、
それもまた、無理のない話だ」
田島邸のご当主に見送られて、康平と千尋が歩き出す。
4mそこそこの舗装された農道が、まっすぐ南へ向かって伸びていく。
それが突然、T字路の突き当りになる。、
道の前方が一面の野菜畑に変わり、道路は路地となって右と左へ別れていく。
「じゃあ、このあたりの路地道から、探索と行くか」
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 第61話~65話 作家名:落合順平