ノブ・・第2部
「・・うん」
ボクはお猪口を持ったまま、月を見上げて黙ってしまった。
風が心地良かった。
「いいんです、私・・」
「ノブさんは最初から、帰っちゃう人だって分かってたんですから」
「ノブさん、お願いしてもいいですか?」
「うん、なに?」
「東京に帰っても・・時々、ほんの時々でいいですから・・」
ここの事、私の事を思い出して貰えますか・・?とさゆりさんはボクを見つめて言った。
「うん」
「でも・・・」
「時々じゃなかったら、どうしよう・・オレ」
正直な気持ちだった。
ボクらは、お互いの事情は分かってる・・でも、惹かれあってるのは事実だったから。
「いいんです、私は」
「ノブさんの彼女さん、羨ましいなって思いますけど、私はここを動けませんし・・」
「時々、あ、さゆり・・元気かな?なんて思って貰えたら、私・・充分です」
そう言ってお猪口を空けて、ボクに微笑みかけるさゆりさんは、月明かりの下・・綺麗だった。
「さゆり」
ボクは、堪らず抱きしめた。
あさがお模様の浴衣のさゆりさんは、ボクの胸に顔を埋めて言った。
「さゆりは、ノブさんが好きです・・」
「でも、ノブさんは医学生で、これからが大変です」
「さゆりは、彼女さんの代わりをしたくても・・出来ませんもん」
だから、思い出してくれたら・・と言って、キスしてきた。
お互いの気持ちを確かめ合うような、長いキスだった。
キスの後、ボクはさゆりさんに言った。
「・・会いたくなったら、来てもいいかな」
「それは恵ちゃんに?それとも・・さゆりに?」
「・・さゆりに」
「嬉しいですけど、ノブさん・・苦しくないですか?彼女さんに」
「うん、そうかもしれない」
でも、きっと会いたくなっちゃうよ、オレ・・とボクはまた、唇を吸った。
「嬉しい・・そう言って貰えるだけで」
さゆりさんは、ボクを強く抱きしめてくれた。
ボクらは、月明かりの下のゴザの上で、黙ったままでお互いをまさぐり合った。
肩、腰、足・・浴衣の上からさゆりさんを撫でまわし、ボクはさゆりさんが何も下着を着けてないのが分かった。
「さゆり、ひょっとして、ノーパン?」
「・・はい、邪魔かなって」
そう言ってさゆりさんは立ち上がった。
「ノブさん・・」
「うん?」
「さゆりに、命令して下さい」
ボクは分かっていた。今夜は、ここでこうなる運命だったんだ。
「さゆり、全部脱いで」
「・・はい」
さゆりさんは、帯を解いて、浴衣をストンと落とした。
十六夜が、全裸のさゆりさんを妖しく浮かび上がらせて、ボクは息を飲んだ。
月光
十六夜の月光を浴びて、さゆりさんは恥じらいながら・・ボクを見た。
「さゆり、一回転してみて?」
「・・はい」
さゆりさんは胸を手で隠して、くるり・・と回った。
「何で、隠すの?」
「・・ごめんなさい」
さゆりさんは、観念したように両手をだらりと下げた。
形の良い乳房、くびれたお腹、引きしまったお尻・・・それに、すらりと伸びた足。
「流石、元全日本の選手だね、綺麗だよ、さゆり」
「止めてください、補欠だったんですから・・」
さゆりさんは笑いながら、ボクの前に立った。
月光にシルエットを浮かびあがらせたさゆりさんを見て、ボクは・・・こんな美しい裸は見たこと無い・・と嘆息した。
「・・ノブさん」
「さゆり・・」
「はい」
「もっと、こっちへ・・」
「そう、そして、足開いて?!」
え?とさゆりさんは、少し躊躇した様子だったが、ゆっくりと、立ったまま座ったボクの前で足を開いた。
ボクの目の前には、さゆりさんの花園の茂みが背後からの月の光に浮き上がった。
「さゆり、どうして欲しいんだ?」
「・・・ノブさんの、お好きな様に・・」
「どうして欲しいかって、聞いたんだよ?オレは」
「・・・オ、オマンコを・・」
「オマン子を?」
「触って下さい、ノブさん・・」
うん・・とボクは、少し背を屈めて舌を出した。
さゆりさんは、少し前に進み出て、ボクの舌にオマン子が触る様にした。
でも少し首が苦しくて、うまく舐められなかったから、ボクは言った。
「さゆり、このまま後を向いて」
「・・はい」
お尻を向けたさゆりさんに、ボクは膝に両手を置いて、足を延ばして腰を曲げる様に言った。
「いやらしいです、こんな格好・・」
「嬉しい?」
目の前の、お尻からオマン子にかけて、ボクは舌で触れるか触れないか・・の愛撫をした。
舌先をとがらせて、チロチロと。
「ノブさん、いやらしい・・・」
「いい?さゆり・・」
「はい、いいです・・嬉しいです・・んん!」
さゆりさんは意識して声を出さない様にしていた。
それが分かったボクは、更に命令した。
「声は、出すなよ?気付かれたら困るだろ?若女将・・」
「はい・・困ります、でも〜!」
さゆりさんは必死に・・声を我慢した。
さゆりさんの小さな、我慢した呻きは、ボクの興奮に一層火を点けた。
ボクは両手でさゆりさんのお尻を掴んで、花園に舌を差し込んだ。
「んん〜!」
「さゆり、ダメだよ、声出しちゃ・・・」
「・・はい、でも・・・あ〜・・」
さゆりさんはとうとう、膝を折って座りこんでしまった。
「・・ダメです、立っていられません」
「・・・・」
ボクは浴衣をはだけてトランクスを下ろし、座り込んださゆりさんの後から、何も言わずにオチンチンを一気に挿入した。
「あぁ〜〜、ノブさん・・・いきなり・・」
「嫌なの?」
「・・いやなら、抜くよ?」
「い、いえ、いいです・・ノブさん・・あ〜ん!」
正座してお辞儀した格好のさゆりさんのお尻を少し持ち上げて、ボクは後から、それこそ盛りのついた獣の様に、さゆりさんを串刺しにした。
「いや〜、こんな・・」
「後ろから犯されるのは、嫌い?」
「・・・い、いいえ・・ん〜!」
傍から見たら、どう見えたんだろう・・・。
裸の、丸まった女に覆いかぶさる乱れた浴衣の、男。
ボクはオチンチンを出し入れしながら、暑くなってきて浴衣を脱ぎ捨てた。
こうして、裸の二匹の獣は・・声を殺して月光を浴びながら、汗にまみれた。
ボクはさゆりさんの顔が見たくなり、オチンチンを抜いて命令した。
「今度は、こっちを向いて・・」
「・・・はい」
息も絶え絶えに、さゆりさんはボクの方に向き直った。
「さゆり・・オレを、どうしたい?」
「・・ノブさんに、もっと気持ち良くなって欲しい・・」
さゆりさんは、笑っていなかった。
その目の奥の深い所に、ボクは青く燃える小さな炎を見た様な気がした。
「どうすれば、オレが喜ぶと思う?」
さゆりさんは黙ってボクの目を見ながら、胡坐をかいたボクの中心に屹立したオチンチンを握った。
「・・さゆりに、飲ませて下さい」
「何を?」
ノブさんの・・精子です・・とさゆりさんは決意した様に言った。
「じゃ、手と口で射精させて・・」
「いいですか?それで・・」
「うん、いかせて」
さゆりさんは今度は微笑んで、自分のオマン子汁でぬらぬらしたオチンチンに手を添えて、正座して口に咥えた。
ボクは、フェラチオに感じてしまって、天を仰いだ。