ノブ・・第2部
「いいよ、さゆり・・感じる」
「嬉しいです、私も・・また!」
ボクはさゆりさんのオッパイを鷲掴みにして、強く揉んだ。
「オッパイはどうだ?」
「・・いいです、感じちゃう!」
「・・ダメ〜!変になっちゃう・・イっちゃう!」
「オレも、イキそうだよ、さゆり!」
「あ〜!」
さゆりさんが一際強く抱きついてきて、ボクは一気にオチンチンを引き抜いて、射精した。
「はぁはぁ・・」スタンドの明かりの中で、ボクとさゆりさんは汗だくで重なっていた。
ボクは、さゆりさんを抱きしめて、キスをした。
「凄かった」
「最高に感じちゃった、オレ・・」
「ノブさん、私・・」
さゆりさんは何かを言いかけて、止めた。
そして、ボクの横にきて目を閉じた。
「有難う・・ノブさん・・」
「オレも、有難う・・さゆり」
ボクらは、暫くの間動けなかった。
「・・一服したいな」
「はい・・」
何気なく呟いたボクの一言に、さゆりさんはゆっくり起き上って、隣の部屋から煙草と灰皿を持って来てくれた。
「有難う、優しいね」
「・・・」
さゆりさんは、腹ばいになったボクに夏掛けをかけてくれて、煙草を咥えると、すかさず火を点けてくれた。
「サービス満点だ」
「嬉しいです・・」
ボクはセックスが終わっても丁寧なもの言いのさゆりさんが、おかしかった。
スタンドの灯りの中を、煙がゆっくりと上にいった。
それをボクらは、見つめていた。
次第に汗が冷えてきて、さゆりさんが言った。
「ノブさん、汗、流しましょうか」
「そうだね・・」
先にボクがお風呂に入った。
さっき溜めたお湯を抜き忘れたのが幸いして、ボクはザっと汗を流して、湯船に浸かった。
「いいですか?」
「うん」
さゆりさんがおずおずと、タオルで前を隠しながら入ってきた。
「なに、恥ずかしいの?」
「うん、明るいし・・」
「いいよ、電気消しても・・」
「ううん、いいです・・これで」
さゆりさんは、桶で体を流して「入っても、いいですか?」と言った。
「さゆりさん、もういいよ?普通に戻って」
「いや、さゆり・・って呼んで下さい!」
「何で?」
「私、自分でも驚いてるんですけど」
「そう呼ばれたり、命令されると・・」
ノブさんのモノみたいな気がして・・とさゆりさんは湯船に入ってきて、ボクの後ろに回って背中にくっ付いた。
「・・嬉しいんです」
「ノブさん、嫌じゃないですか?」
「・・いやじゃないけどさ」
「私、変態みたい・・・」
さゆりさんは小さく笑った。
さゆりが変態だったら、オレも変態だな・・とボクも笑いながら言った。
「・・私、マゾなんですね、きっと」
「じゃ、オレは、サドなのかな?!」
「うん、そうだと思います」
「ノブさん、明日・・恵ちゃんのお墓参りが終わったら、帰るでしょう?」
「・・うん」
「だから、せめて・・一緒にいられる間だけは、こうしてて欲しいんです」
「私を、ノブさんのモノ・・女として扱って下さい」
いいですか・・?とさゆりさんは、ボクの背中に顔を付けた。
「うん・・」としか、ボクは答えられなかった。
「さ、ノブさん・・洗いましょうか」
「あ、う、うん」
ボクは正直、戸惑っていた。
さっきのはあくまでも、セックスの中での出来事であってさゆりさんとボクのエッチの嗜好みたいなもの・・と理解していたから。
しかし、どうやらさゆりさんは本気みたいだった。
まるで・・ボクを、お殿様か何かの様に扱うさゆりさんに、ボクはこれからどう接すればいいんだろう。
「・・かけて下さい」
さゆりさんは洗い場の椅子にボクを座らせて、まず頭を洗ってくれた。
次に「お背中、流しますね?!」と体を洗いだした。
「いいよ、自分で・・」
「いいんです、やらせて下さい」
さゆりさんは背中、肩、首、腰・・と洗って「・・前も」と一度お湯を流して、ボクの前に回った。
「少し、上を向いて下さい」
「・・はい」
ボクは観念した。この際・・さゆりさんの好きな様にさせよう。
さゆりさんはボクの首、胸を洗ってから言った。
「足、上げてくれますか?」
「はい」
ボクの片足を持ち上げて、さゆりさんは洗った。
足の指の間も、裏も・・丁寧に。
あまりに丁寧過ぎて、足の裏を洗われた時は、くすぐったくて笑ってしまった。
「さゆりさ〜ん」
「ダメ、さゆりって、呼び捨てにして下さい!」
「分かった、さゆり・・」
「くすぐったいんだけど・・?」
あ、ごめんなさい、ノブさん・・とさゆりさんも笑った。
笑ったさゆりさんに、ボクは言った。
「ねぇ、さゆり」
「はい?」
「オレがSで、さゆりがM・・っていうのは分かったけど・・」
「何で、その・・こんなに丁寧に尽くしてくれるの?」
「・・ノブさんは」
「私の、大事な人だって分かりましたから」
「大事な人?」
はい・・とさゆりさんは、ボクの体にお湯をかけて流してから言った。
「私、今まで・・・さっきみたいなコト、経験ありませんでした」
「さっきノブさんに抱かれてから、その・・今までの男性経験がママゴトみたいに思えちゃったんです」
「ままごと?」
「はい、まるで違ってました、ノブさんとの・・」
「私・・・中絶したって話したでしょ?」
「うん」
「その彼氏とも、私・・結構相性がいいな・・って思ってたんです」
「・・うん」
さゆりさんは続けた。
「でも、違ってました」
「考えたら、私、何もしてなかったんです、前の人の時は」
彼も、キスして、少し触ったら、すぐに入れて終わりだった・・とさゆりさんは言った。
「それでも少しは感じてましたから・・あ、ゴメンなさい、ノブさん・・」
「いいよ、で?さゆりは何もしなかったって?」
私、初めて・・口にしたんです、オチンチン・・とさゆりは呟いた。
前の彼の時は、汚く思えて、とても出来なかったと。
「え、そうだったの?」
「・・はい、でもノブさんに言われて、私、嬉しくて咥えちゃいました」
「だから下手だったでしょ?ごめんなさい」
「いや、下手じゃなかった・・って言うか、上手で感じちゃったよ」
「何故か、自然に・・しちゃってましたね・・」
「じゃ、飲んだのも・・初めて?」
「勿論です、でも嫌じゃなかったです」
それどころか、自分でもこんなに興奮するなんて・・とさゆりさんは続けた。
「驚きました、これが、本当のセックスなんだって」
「いや・・」ボクは少し不安になって、言った。
「さゆりさん、本当のセックス、これが正しいセックス・・なんて無いと思うよ?オレ」
「その時のセックスが2人にとって良かったら、それが本当のセックスなんじゃないかな」
「はい、私もそう思ってます」
「だから、ノブさんは大事な人なんです」
ん?なんか、ボタンのかけ違いがあるぞ・・?とボクは思った。
でも、さゆりさんは、真面目に続けた。
「中絶して、男性恐怖症になってた私を、ノブさんは魅力的だ・・って言ってくれました」
「・・うん」
「私を見て、感じた・・と」
「はい・・」
「それで自分で何とかしよう、としてくれてたでしょ?」
「うん、オナニーしようと思った」
「私、ほんとに嬉しかった」