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長浜くろべゐ
長浜くろべゐ
novelistID. 29160
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ノブ・・第2部

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当たり前よ・・と笑いながら、さゆりさんはボクの横に滑り込んできた。
「まずいよ、さゆりさん」
「罰ゲームなんだから、大人しくしなさい?!」

さゆりさんは、ボクの右隣に体をくっ付けて言った。
「今夜は、私と添い寝すること・・それが罰ゲーム」

「添い寝って・・」

「色んな事話してね、私も何だか切なくなっちゃった」
消え入りそうな声で、ボクの肩に顔を押し付けた。
「さゆりさん・・」

「少しだけ、このままにさせて」
「うん」


「ノブ・・・」
「なに?」
「私って、ひどい女だよね」

「どうして?」
「私、赤ん坊・・・殺しちゃったんだよ?」

小さな声でそう言ったさゆりさんは、小刻みに体を震わせて泣いた。

「人でなしだよ、私は」
「さゆりさん」

さゆりさんは、両手でボクの右手を抱えて泣いた。
ボクはかけてあげる言葉が見つからずに、黙ってそのままにした。

暫く泣いて、さゆりさんは言った。
「私ね、その事があって以来・・・男ってものが怖くなっちゃってね」
「一時期は、若い男の声聞くのも姿見るのも嫌だった」

「最近だよ、何とか普通に応対出来る様になったのは」

「私ね、この事話したの・・ノブが最初」
「そうなの?」
「うん、勿論、両親には言える訳ないじゃない?親友にも言えなかったし」

「自分1人でね、病院さがして同意書は筆跡変えて・・適当な男の名前でっちあげてさ・・」
「全部、1人でやっちゃった」

「そうなんだ」
「だからね、私がこんな女だって初めて知った男だね、ノブは」

「そんな言い方・・・良くないよ」
「だって、本当の事じゃない?」
「さゆりさんだって、仕方なかったんだしさ・・上手く言えないけど」

「思い通りにいかない、自分ではどうしようもない事ってあるじゃない?」
「そうだったんだよ、その事はさ」

だから、そんな言い方は可哀そうだよ、さゆりさん自身が・・とボクは言った。

「ほんとに、そう思う?」
「うん、思うよ、オレ」

さゆりさんは起き上って、ボクを見て言った。
「赤ん坊、堕ろした女でも?」
「仕方なかったんだって。その時はそれしか、さゆりさんには出来なかったんだから・・」
「仕方ない事は、仕方ないじゃない?」

「じゃ、私・・・いいの?」
「こうして生きてていいの?」
そう言って、さゆりさんは泣いた。

ボクは、何も言えずに抱きしめた。
きつく抱きしめて、やっとの思いで言った。

「そんな事、言っちゃダメだよ」
「辛いだろうけど、忘れるなんて無理だろうけど・・・」
「仕方なかったんだから・・・これからは時間に任せようよ」

「時間?」
「うん、きっと時間が傷口を癒してくれるからさ」
これ、親父の受け売りだけどねと。

「恵子が亡くなった事を話した時にね、そう言われたんだ」
「お父さんに?」
「うん、辛いだろうけど、時間だけだぞ、癒してくれるのはって」

時間か・・・さゆりさんはボクの胸に、涙でグシャグシャの顔を載せた。

「有難う、優しいね、ノブは」
さゆりさんは、泣き止んだ。

「ねぇ、さゆりさん」
「なに?」
「浴衣の胸のとこ、冷たいんだけど?」

ボクの浴衣の合わせの所には、さゆりさんの涙の染みが付いていた。

「ごめんね、濡らしちゃった」
さゆりさんは、やっと笑った。

「良かった、笑ってくれて」
「冷たくない?」
大丈夫、すぐに乾くよ・・とボクはおどけて浴衣の合わせをパタパタした。

「ノブ・・」
「ん?」
「罰ゲームの続き、いい?」

「なに、まだあるの?」
「ここからは、私の希望なんだけどさ」
「優しく抱いて、眠らせて欲しいの」

「ダッコして・・って事?」
「うん、私が寝付くまでね」

「いいよ、分かった」
ボクは、さゆりさんを両手で抱いた。
また、顔が胸のところにきた。

もう、泣いちゃダメだからね?」
「また濡れちゃうからさ・・」
「うん、もう泣かない、有難う」

「ね、もう1つ、お願いがあるんだけど」
「いいよ、この際・・何でも言って」

「キスしてくれる?嫌じゃなかったら」
「キス?」
「うん、キスしたい・・して欲しい」

ボクは、さゆりさんのおでこに軽く触れるキスをした。
「これで、いい?」
「おでこじゃいや・・・唇にして」

「唇って・・・」
「早く」
今度は唇に可愛いキスをした。

すると、さゆりさんが目を開けてボクを見て言った。
「もう1回・・・」

3度目のキスは、さゆりさんが舌を入れてきてボクの舌を絡め取る様なキスだった。
強くボクを抱きしめながら。

長いキスが終わったあと、さゆりさんがため息交じりに言った。

「有難う・・」
「あの事があって以来ね、私、誰ともキスしたいなんて思わなかったの」
「ノブって、不思議な子だね」

「ノブには、キスしたい、抱きしめて欲しいって思っちゃった」
「ごめんね」
謝らなくていいよ・・とボクはさゆりさんを抱きしめて言った。

「じゃ、お休み」
「うん、お休みなさい」


ボクは、胸にさゆりさんの寝息を感じながら、ジっとしていた。
このまま寝てしまえ・・・と自分に言い聞かせて。

さゆりさんは大人しく目を閉じて、ボクに体を預けていた。

暫くはそのままだったが、ボクは一向に寝付けずにいた。

「んん・・」
さゆりさんは、仰向けになった。

無防備なさゆりさんの寝姿に、ボクはいけない・・と思いつつも見入ってしまった。
閉じた唇から首、呼吸とともに上下する・・胸の膨らみ。

「いかん」
ボクはさっきのキスで起こされて、一度は大人しくなったオチンチンが再び勃起しだしたことに慌てた。

「そんな場合じゃ、ないだろ」
「何考えてんだよ」

その時さゆりさんがまた寝返りを打って、ボクの胸に右手を預けてきた。

今度はボクの右肩に、やわらかい胸が押し付けられて、僕の分身は益々・・元気に脈打ちだした。

「ヤバいぞ、これは」

暫しの思案の挙句、ボクは注意深くさゆりさんの右手をのけて、ゆっくりとさゆりさんを仰向けにした。
そして、さゆりさんの寝息を確認した後、そろりそろりと布団を抜け出して、ゆっくり、隣の間に這って行った。

ボクは、座布団を並べて横になり・・・浴衣をはだけて、トランクスを下ろした。

オチンチンは窮屈な状態から開放されたのを喜ぶかの様に、ビーン!と屹立した。

「お前、ほんとに考え無しなんだな」

ボクはティッシュを手元に引き寄せて、ゆっくりとしごきだした。
ボクが目を閉じてオナニーに没頭しかけたその時「ノブ?」とボクを呼ぶさゆりさんの声が聞こえた。

「はい?」我ながら、情けない返事だったが・・仕方ない。
「そっちで何してるの?」

「何って、その・・・」
「ねえ、こっちに来て?」

「う、うん、今行く」
ボクは慌ててパンツを上げて浴衣を合わせて、六畳間に戻った。

さゆりさんは布団の上に仰向けのまま、ボクを見て言った。
「いなくなっちゃだめよ、罰ゲームなんだから」
「ごめんなさい・・」

何してたの・・?と、さゆりさんはそこまで言って、立ったままのボクの浴衣の前を凝視した。

「1人で・・エッチなことしてた?ひょっとして」
「え・・」しまった、見抜かれたか?

「いや、そんなコトは」
作品名:ノブ・・第2部 作家名:長浜くろべゐ