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からっ風と、繭の郷の子守唄 第51話~55話

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 「あいにく、バイクが趣味なために、車は所有していません。
 フォルツァというホンダのスパースクーターが、俺の足替わりです。
 ヘルメットをかぶり、後部座席へ座ってもらうという制約付きになりますが、
 それでよければ、千尋さんの都合の良い時に、いつでも案内します」

 「そう!実は、それなの。
 わたし。そのフォルツァというスクーターに憧れているの。
 最近、そのスクーターをよく見かけます。
 ある人に聞いたら、フォルツァというスクーターと知りました。
 いちど乗ってみたいと言ったら、『それなら簡単だ。康平に
 乗せてもらえばいい』
 と五六さんから言われました。
 そうです。わたしそのスクーターに乗りたいの。
 やっぱり少し変ですか、私って・・・・」

 「はい・・・・少し変だと思います。でも正直、驚ろいています。
 おしとやかに見えましたので、もっと日本的かと思いました。
 いえ、勝手に俺が思いこんでいただけです。
 そうですか、スクータの後部座席に憧れがあるのですか・・・・
 へぇぇ、目からウロコです」

 「あさっての日曜はいかがですか、私もお休みです。
 お天気がよければ、前橋まで電車を乗り継いで飛んでまいります!」

 「では、午前8時、前橋駅の銅像の前で待ち合わせというのでいかがでしょう。
 早すぎますか?その時間では」

 「いいえ。大丈夫です。全く問題ありません。
 二人分のお弁当を用意して、その時間までに必ず前橋駅へ行きます!」
 
 フォルツァシリーズは、ホンダが作ったスーパースクーターだ。
二輪車市場においては、もっとも売れている車種になる。
2007年、11ヶ月にわたり販売台数がトップという記録を打ち立てた。
今や、ビッグスクーターの定番といえるモデルになっている。

 3代目となるシリーズは、軽快なスポーツイメージをまとって登場している。
初代はライバルたちに対して、あまり大きなアドバンテージを取れていない。
しかし2004年に登場した2代目フォルツァから、ビッグスクーターに要求される
走行性能と積載能力、ルックスを大幅に向上させた。
ここからこのシリーズは、一大ヒットモデルへと進化を遂げていく。
2007年、再びフルモデルチェンジを行う。
さらにパフォーマンスを向上させたことで、このシリーズは不動の
人気と得て、驚くべき販売実績を残す。

 康平の乗るフォルツは、このシリーズの3代目だ。
休日になるとハンドルを握り、気が向くままに、赤城の山道を疾走する。
スクータの一番の魅力は、なんといっても『乗りやすさ』にある。
大きな収納力を隠し持った車体は、買い物時にも威力を発揮する。
思いがけなく決まった3日後のツーリングに、康平の胸は、
今から早くも高鳴っていく・・・