からっ風と、繭の郷の子守唄 第46話~50話
からっ風と、繭の郷の子守唄(49)
「突風はまったく想定外の出来事、それでも作業は無事に終了する」
「気をつけろ。先頭。
突風が吹いてきた!目標を外すな。角度を維持したまま放水しろ!」
五六の大声が背後から飛んできた。ごうっという激しい音と共に突風が、
筒先の2人へ襲いかかってきた。
綺麗な放射線を描いていた消毒液が、突風に翻弄される。
砕けはじめた水滴が、真下に居る2人をめがけて滝のように落下してくる。
水滴が地面を激しく叩き、水煙があがる。
康平と長髪美女が危険を察知して、即座に防御の姿勢をとる。
筒先を天に向けて保持したまま、ぴったりと体を寄せ合う。
滝のような降り注ぐ水を背中で受けながら、通り過ぎるまでの時間を
耐え抜く。
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 第46話~50話 作家名:落合順平