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第二章 サイドストーリーは突然に

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今日はなんだか、ころころ気分が変わるんヒロキ。
どうしたんだろう? 何かお仕事でいいことあったのかな?
急にすごく甘えん坊になったり、さっきみたいにちょっぴり意地悪してみたり
かというと、今みたいに突然のサプライズ!

日によっても、ころころ気分が違う
ホントつかみどころのない不思議な人!
でも、そんな彼がとっても大好きなんだよね。

すっかり満面の笑顔でご機嫌そうな彼。
私もさっきまで怒ったりしていたけどつられてついつい赦しちゃう。
時々、こうしていきなりサプライズで驚かせてくれる彼

ふりまわすのが好きな彼にちょっと困ったなって思うことも多いけど
まぁ・・せっかく久しぶり〜のデートなんだから楽しまないと・・だよね♪


「ね、どう?それ気に入った?
君とつきあって今日でちょうど半年になるから
その記念のプレゼントだよ。」
「わぁ、ありがとう!すっごく嬉しい。これ、とても素敵な指輪ね。」
指に嵌めてもらった指輪を目の前に近づけてじぃっと見つめる。
大人っぽいデザインじゃないけど子供過ぎない甘さで可憐な感じ?
っていうのかなこういうの。

「そう♪ 良かった。とても似合うよ、その指輪。
君は指が華奢だからかわいいのが似合うよね。」
と言うと、私の指輪を付けた手をとってグイっと自分の目の前に引き寄せたヒロキ。

そして・・
え?な、なに??何するの?

「うわっ!びっくりしたっ!!」
「え・・? ったく、おおげさな・・」

そう言いながら爽やかに笑う笑顔にこぼれる眩しい白い歯。

「えぇぇっ?? おおげさな・・じゃ、無いよぉぉ〜!(;。;)」

だって突然王子様がお姫様にするみたいなキスを指にされて
もう心臓がバックバクしている。
びっくりして手を勢いよくひっこめた私。

「ほんと変わらないね、君は・・会った頃と。
なんだか野生の猫みたいにつかみどころがないっていうか?
どう反応するのか分からなくて面白い。」

そう言うと、やさしく私の髪を撫でながらほほ笑む彼。

そんな彼の笑顔を見てとてもホッとしている私。


あのね、あなたに言えないけど、私・・
本当はいつも不安でいっぱいなんだ。

だってあなたはとっても素敵な人だから・・。
周りに素敵な女の人がいっぱいいるから・・。
だって綺麗な女優さんたちに囲まれて仕事をしてるんだもんね?
あなたの横にいてふさわしいひとは私なんかみたいな地味な人間じゃないかも。
なんだかそんな気が・・すごくするんだ。
いつも、いつも・・。

「・・ねぇ私、このまま、あなたについていけるかな?
本当に私達って、幸せになれるのかな? 」

そう言いそうになったけど、やっぱり言えず
気持ちを切り替えてつとめて暗くならないように彼に言った。

「ねえ、天気もいいし今日は外のテラス席で飲もうよ!」
「うん。じゃあ、ここに座って待ってて。僕、買ってくるから。
いつものでいいよね。」

「うん、ありがとう!」
そういうと私はお店の外にあるテラス席に座った。
海の近くにある小さなカフェ。
ヨーロッパのカフェみたなお洒落さはないけど、時々聞こえる豪華客船の汽笛の音。
すぐそばには大きな公園があって、特に何があるって訳じゃないけど
2人で散策しながらとりとめのない話をするのが最近は定番のデート。

そういえば趣味は『マンウォッチング』だなんて、
不思議なこと言ってたわね。。あの人。
私は、あの日ここで言われた言葉をふと思い出した。

えっと、なんだっけ・・ウォズモンドなんとか?なんとかウォリス??
全然覚えてないわ・・なんか人の名前言ってたよね?
あれ結局なんだったんだろう?

おかしな人よね!
自分が人に見られる俳優の仕事をしてるのにマンウォッチング、人を見る・・だなんて

あ!そうだ飲み物!
やっぱりいつものじゃなくて今日は違う何か甘~い飲み物が飲みたい!
「ヒロキ〜っ!!ちょっと待って。。」

あ、もう店内に入っていっちゃった。
やっぱり、いつものでいっか・・と思って椅子に座りなおし
ふ・・と目の前を見ると、こちらをじっと見て座っている男の人が居た

え? 何・・?
何だか遠慮なく私のこと見ていないあの人?

服装はモノトーン。帽子をかぶっていて全体の印象は少し派手
英字新聞を広げて読んでいる。。ってことは外人かな?

そうかこのへんって、観光地でもあるし外国人も多いんだったっけ?

え、でもなんでこんなに私をガン見しているんだろう?
やだ、もう!なんでこんなにジロジロ人の顔みるのかしら!

ぷい!っと私は視線をそらした。


すると・・

「**子?」

え、その声は・・

まさか!

「リョウセイさん!?」

かけていたサングラスをゆっくり外すと、こぼれるような笑顔で笑ったのは
あのリョウセイさん、その人だった

「久しぶり・・元気そうだね」