小説を書くこと
3.視点のこと(主観的な視点と客観的な視点) 2016/01/22
前回、視点のことを書きましたが、
書き足りないことがあったのでいくつか。
なぜ、視点のことでそんなに悩むのかというと、
プロの作家さんでも「ああ~この視点は読めない…」と感じることが多々あるからです。
ジャンルがどうこうとかではなく、
大好きな作家さんなのに、違和感がありすぎて読めない作品がなぜかあるんです。
たとえば、辻仁成の作品はほぼ全部読むくらい好きですが
(最近のはちょっと読みづらいですが…)
女性視点で書いた「サヨナライツカ」は自分的にはダメでした。
江國香織の作品も好きですが、「東京タワー」の男性視点の方が読めない…
でも、唯川恵の「ベター・ハーフ」「100万回の言い訳」どちらも男性視点と女性視点が交互にくるのですが、すんなり読めました。
ミステリー作家さんもよく視点が切りかわりますが(東野圭吾と宮部みゆきとか)違和感を抱いたことがあまりないです。
この差、一体なんだろう?と考えていたところ、
吉葉さまのコメントからヒントを頂きました。
違和感を抱いたのは「主観的な視点=一人称」で、
問題なかったのは、「客観的な視点=三人称」で書かれていたことです。
つまり、一人称で異性の視点を書くのは難しい、ってことですね。
残念ながら「サヨナライツカ」は冒頭からザワザワして、
何がぞわぞわするのかわからないまま読むのを一時中断し、
平静を保って読もうと自分に言い聞かせながら最後まで無理やり突っ走った感じでした。
辻仁成の女性一人称の作品は他にもありますが、とにかく読むのがつらい…
私だけかもしれませんが、男性作家が書いた女性一人称は「女ってこうだろ?」みたいな空気が漂っていて、ざわざわしちゃうんです…
ものっすごい上手い人もいるかもしれません。
石田衣良の作品は女性視点の物が多いんですが、ご本人がちょっとフェミニン?な感じがあって、違和感少なめです。でも共感できるってほどでもなく…
(最近、辻仁成もフェミニン全開ですけどね。好きだっただけに、ちょっと悲しい~(^_^;))
プロの作家さんでもこうなるのだから、
へたっぴな自分が書くと炎上するんじゃないかと、いつもヒヤヒヤしています(@_@;)
あとは辻仁成の「青空の休暇」も戦争時代を生きた方の視点ですが、ものすごい感動とかもなく最後までいってしまいました。
ミュージカルの原作になっているようなので、もしかしたら演技される方の想いが上乗せされるとすごいことになるのかもしれません。
(なんか辻仁成好きじゃないみたいな感じになっちゃいましたが、ものっすごい好きなんですよ!あれもこれも好きな作品上げたらキリがないんです。なので残念感も半端ないんです。たぶん)
総括として、異性視点の一人称を違和感なく書くのはかなり難しい。
今の自分が書くなら、三人称で、と思っています。
私は今30代で結婚していて子育て中なので、人生もそのあたりまでは一人称でも詳しく書けるけど、それ以上はよっぽど深く観察しないと難しい。
登場人物に広がりをもたせるために、洞察力を養ってるところです)^o^(
ありとあらゆる人生を経験するなんて無理なことですから、
自分の範疇を越えることを書くときは、
やっぱり人物像をよく練り上げて不自然なところがないか、矛盾点がないか確認する必要がありそうです。
あとはノベリストにはいろんな年代の方がいらっしゃいますので、その方々からのご指摘もありがたいですね!
こりずにいろんな視点で書いていきたいので、違和感あったら教えてくださいね)^o^(