小説を書くこと
8.心の機微を書くこと 2016/04/04
このところ、ちょっと書くエネルギーが足りなかったことと、
新規立ち上げされた「カクヨム」に登録したこともあって、
あっちこっちをフラフラと彷徨っていたのですが、
この3~4日で短編の「~それから~」を一気に書き上げました。
そこで夏芽さまからいただいた「心境の変化がきめ細かく描かれていて」と言うコメントに、目が覚める思いがしました。
自分が書きたかったのは、やっぱりそこだったんだなと、
改めて気づかされた気がします。
小説で表現したいことは、人それぞれだと思います。
日常のささいなことや、あっと驚くような展開や、誰かに伝えたいこと。
胸が躍るような冒険話や、口にはできないつらい体験……
何をどう書くかは作者の好みによると思いますが、
私はやっぱり人の心の機微を丁寧に書きたいと思っています。
私が知りたいのは、人の心はどう動いて行動に出るのか、に尽きるからです。
なのでどんなにおもしろい展開があったとしても、
「え? 今なんでそんな行動にでたの?」
と前後がつながらないと、もうお話に入っていけなくなります。
よく知らない異性にいきなり「好きです!」と言われても、
「なんで? どこがよ? ていうかアンタ誰?」となる感じですね(^_^;)
そこに至るまでを丁寧に書けるのが小説の醍醐味!だと思います。
小説の多くを占める「地の文」って、かなり特殊だと思うんです。
日常生活に「地の文」なんて仕組み、ないですよね。
頭の中にもやもやといろんなことが浮かんでも、読み返したりはできない。
映像作品も「1人語り」なんて手法もありますが、
小説みたいに延々とやられると辛い……
ほとんどは具体的な行動やセリフで感情を示しています。
(BGMや背景で表現、もありますが、話がそれるので今は置いておきます)
人物の過去のことや、大事な行動に出るまでの流れが丁寧に書かれていると、「ああ…そうか、それでそうだったんだね…」(「そう」が多くてスミマセン……)と納得して読むことができます。
「行間読め!」と言われればそれまでですが。
推測できないほど突飛な行動が出現すると、「読めんわ!」って叫びたくなる私です……
だって人の心なんて、読めないじゃないですか。
作者が何を書きたかったかなんて、本当のところは作者に聞かないとわからないですよね?
(書いてるとわかることですが、作者もわかってない時ありますよね…汗)
なので、受験勉強のときにしょっちゅう言われた「行間読め」っていう言葉が、すごく嫌でした。
勝手に推測したらアカンやん、私作者ちゃうし、とひねくれていたため、
センター試験の小説分野ではなかなか成績が上がらず…汗
今だけ心を凍結しよう、と割り切って数学みたいに手法で解くようになったら点数上がりましたけどね。
全然おもしろくはなかったですね。
(しかも読みたいと思っていた小説の肝心なシーンが設問になってたりすると、「ああ!答え出すなよ!」と身もだえしていました)
人の心の動きが読みたくて小説を読んでいる私は、
書くならやっぱり相手に伝わるように書きたい。
「うん、それならわかるよ」と納得して読んでほしい。
そしてほんのひとかけらでも共感してもらえれば嬉しいことこの上ない。
そう考えながら、物語を綴っています。
なのでどうしても長くなりがちですが、丁寧に書くことだけはサボらずやっていきたいので、お付き合いいただけると嬉しいです(*^_^*)