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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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乙女たちの幻想曲 第2回 風の吹く場所へ

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 地上を押しつぶしてきそうな曇り空の下、少女と青年は寂れた道を歩いた。その途中、風美歌は青年に尋ねた。
「お兄さん、名前聞いてもええですか」
「はい、辻颯(つじ はやて)と言います」
「颯はん。かっこいい名前ですね」
 辻颯と名乗る青年は、軽く照れ笑いした。
「あなたの名前も、聞いていいですか」
「うちは…永島風美歌です」
「風美歌さん。かわいらしい名前ですね」
「あ、ありがとうございます」
 そのようなやりとりをしているうちに、2人は妖しい雰囲気の漂う森の入り口らしき所に来た。風美歌は、一瞬おびえたような顔をしたが、強くうなずくと森に入っていった。