からっ風と、繭の郷の子守唄 第40話~45話
からっ風と、繭の郷の子守唄(45)
「女がいるのは当たり前。群馬は女性上位の国だぜ、と笑うやつ」
「女性の団員がいるのか。お前さんの分団には・・・・」
康平が、2台目の消防車両から降りてくる団員のお尻が、
ふくよかなことに気が付く。
康平が思わず、もう一度視線を戻す。後ろ姿をあわてて再確認する。
制服は、男子とまったく同じ。
だが制帽からはみ出た長い髪と、胸のふくらみが女性であることを
物語っている。
「珍しくなんかねぇ。
うちには2人しかいないが、5人もいる分団もある。
3人寄ればかしましいと言うが、2人でもけっこううるさい。
男女雇用均等法の時代だ。時節に合っているし、いい目の保養にもなる。
なにかと刺激を受けるために、男子団員どもの『やる気』が出てくる。
女がいるというだけで、単純に頑張りはじめる生き物だからな、
男と言う動物は。
お前も嫁をもらったら、俺の分団に入れろ。
分団長の俺様がじきじきに、面倒を見てやるからな。むっふっふ」
作品名:からっ風と、繭の郷の子守唄 第40話~45話 作家名:落合順平