ギブアンドテイク【後編】
思ったより、悲しかった。
「うわ、たきもっちゃん。あからさまに落ち込んで……どうしたの?」
「……フられたの」
「は?」
ランチにまた会社を抜け出して、花田ちゃんとご飯に行った。
昨日の電話の内容をざっくり話すと、彼女はおかしそうに笑った。
なにがおかしい。
「たきもっちゃん、かわいい」
「は?バカにしてるの?」
「ええ、してないしてない。やっぱり高峰くんに会いたいんじゃん。たまらなくなってるじゃん」
……言われてみれば、彼女の予言通りすぎて言い返せない。
電話したら、なんで一緒にご飯を食べられないのかわからなくなった。
電話したらさみしさが増したから、思わず着信拒否にしてしまった。
「いやもう、ほんとにたきもっちゃんの行動力すごいわ。見習いたいわ」
「……やっぱりバカにしてる」
「してないよ。自分から逃げてなくて、わたしは好きだよ」
本当に逃げてない人は、着信拒否なんてしないと思う。
離れてもかんたんに会えると思ってた自分が恥ずかしい。
遠くてもかんたんに来てくれると思った自分が恥ずかしい。
「もー……今日はおごってあげるから、ちゃんと食べな」
「おっちゃん、和牛ステーキ300g」
「ちょっとは自重しなさい」
「うわ、たきもっちゃん。あからさまに落ち込んで……どうしたの?」
「……フられたの」
「は?」
ランチにまた会社を抜け出して、花田ちゃんとご飯に行った。
昨日の電話の内容をざっくり話すと、彼女はおかしそうに笑った。
なにがおかしい。
「たきもっちゃん、かわいい」
「は?バカにしてるの?」
「ええ、してないしてない。やっぱり高峰くんに会いたいんじゃん。たまらなくなってるじゃん」
……言われてみれば、彼女の予言通りすぎて言い返せない。
電話したら、なんで一緒にご飯を食べられないのかわからなくなった。
電話したらさみしさが増したから、思わず着信拒否にしてしまった。
「いやもう、ほんとにたきもっちゃんの行動力すごいわ。見習いたいわ」
「……やっぱりバカにしてる」
「してないよ。自分から逃げてなくて、わたしは好きだよ」
本当に逃げてない人は、着信拒否なんてしないと思う。
離れてもかんたんに会えると思ってた自分が恥ずかしい。
遠くてもかんたんに来てくれると思った自分が恥ずかしい。
「もー……今日はおごってあげるから、ちゃんと食べな」
「おっちゃん、和牛ステーキ300g」
「ちょっとは自重しなさい」
作品名:ギブアンドテイク【後編】 作家名:かずさ