ギブアンドテイク【後編】
あれ。
「なんで俺は今日の献立自慢されてんの」
「今日は仕事早く上がれて、料理したからさ。冷凍保存できるハンバーグだよ」
「……あてつけか」
なんなら、ごはん今から食べに来る?と口がすべりそうになって、慌てて飲み込んだ。
今は8時過ぎで、昨日と同じくらいの時間に電話したら第一声に「通信会社同じだよな、通話料かかんねーよな」と確認されたのはちょっとおもしろかった。
昨日の今日で話のテンポを思い出したからか、ずっと話しやすい。
「ちゃんと部屋片付けてんのか」
「片付けてるよ。自分の部屋で寝てるよ。高峰こそ、ちゃんと食べてんの?」
「……食べてる食べてる」
絶対嘘だ。
高峰は不都合があると、嘘をつくために反応が遅れるから。
早く料理上手の彼女を……
「今週末、こっちくる?」
心の中の自分の言葉にかぶせて、そんな提案を思い付いた。
「は?」
「どうせまともなもの食べてないんでしょ。土日で東京来なよ」
「無理。今週末は休日出勤で仕事があるから」
我ながらナイスアイディアと思ったのに、即却下された。
なんだ、来れないのか……来たくないのか。
「なんで俺は今日の献立自慢されてんの」
「今日は仕事早く上がれて、料理したからさ。冷凍保存できるハンバーグだよ」
「……あてつけか」
なんなら、ごはん今から食べに来る?と口がすべりそうになって、慌てて飲み込んだ。
今は8時過ぎで、昨日と同じくらいの時間に電話したら第一声に「通信会社同じだよな、通話料かかんねーよな」と確認されたのはちょっとおもしろかった。
昨日の今日で話のテンポを思い出したからか、ずっと話しやすい。
「ちゃんと部屋片付けてんのか」
「片付けてるよ。自分の部屋で寝てるよ。高峰こそ、ちゃんと食べてんの?」
「……食べてる食べてる」
絶対嘘だ。
高峰は不都合があると、嘘をつくために反応が遅れるから。
早く料理上手の彼女を……
「今週末、こっちくる?」
心の中の自分の言葉にかぶせて、そんな提案を思い付いた。
「は?」
「どうせまともなもの食べてないんでしょ。土日で東京来なよ」
「無理。今週末は休日出勤で仕事があるから」
我ながらナイスアイディアと思ったのに、即却下された。
なんだ、来れないのか……来たくないのか。
作品名:ギブアンドテイク【後編】 作家名:かずさ