ギブアンドテイク【後編】
なんでこんな他人行儀な文章しか思いつかないんだ。
「“久しぶり。九州は慣れましたか?”……続かない」
そういえば、2週間以上も音信不通になったことがなかったな。
1ヶ月も連絡しなかったら、どうやってメールしてたのかすら分からなくなった。
ヒントを得ようと過去の送信済みメールを見たら、今日の献立はなんだのとかいうご飯以上の中身のない文章しか見つからない。
「……電話にするか」
今の勢いがなくなったら、もう連絡するという考えすらなくなりそうで。
スーパーの買い出しに頼むときしか使ったことのない電話番号を引っ張り出して、通話ボタンを思い切って押した。
ぷるるるるるるる……ぷるるるるるるる……と長いコール音が続くから、まだ帰ってな
「もしもし?」
「うわっ!?」
電話を切ろうと思った瞬間に声が聞こえて、ものすごくびっくりした。
思わず手放した携帯が、床にごとりと重く落ちる。
ちゃんと保護シート貼らないと画面割りそうだな。
「もしもし?滝本?」
「あ、うん!うん!わたし、滝本!」
「……元気だな」
ふっと電話の向こうで笑ったのが分かる。
遠くにテレビのバラエティー番組のような音が聞こえるから、たぶん家にいるのだろう。
「“久しぶり。九州は慣れましたか?”……続かない」
そういえば、2週間以上も音信不通になったことがなかったな。
1ヶ月も連絡しなかったら、どうやってメールしてたのかすら分からなくなった。
ヒントを得ようと過去の送信済みメールを見たら、今日の献立はなんだのとかいうご飯以上の中身のない文章しか見つからない。
「……電話にするか」
今の勢いがなくなったら、もう連絡するという考えすらなくなりそうで。
スーパーの買い出しに頼むときしか使ったことのない電話番号を引っ張り出して、通話ボタンを思い切って押した。
ぷるるるるるるる……ぷるるるるるるる……と長いコール音が続くから、まだ帰ってな
「もしもし?」
「うわっ!?」
電話を切ろうと思った瞬間に声が聞こえて、ものすごくびっくりした。
思わず手放した携帯が、床にごとりと重く落ちる。
ちゃんと保護シート貼らないと画面割りそうだな。
「もしもし?滝本?」
「あ、うん!うん!わたし、滝本!」
「……元気だな」
ふっと電話の向こうで笑ったのが分かる。
遠くにテレビのバラエティー番組のような音が聞こえるから、たぶん家にいるのだろう。
作品名:ギブアンドテイク【後編】 作家名:かずさ