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ギブアンドテイク【後編】

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あ、そういえば。


「結婚するから退職しますって言ったら、もったいないから九州に異動しないかって言われたんだけど」

「え……なにそれ。初耳なんだけど」

「うん。サプライズ仕返し」


地方の営業所で今より仕事は小さいけど、働いてくれるならって、今の上司が人事に取りはからってくれたらしい。

恵まれすぎて、ちょっと泣いた。

彼にはまっさきに話したかったけど、おどろかせるのもいいと思ったの。


「うわー……なんだ、よかったな」

「うん。専業主婦なんて務まらなさすぎてどうしようと思ってたから、救われた」

「え、そっち」


だって、料理しか出来ないのに1日家にいるなんて、わたしには晩ご飯に手を尽くすことしかできない。

高峰とは対等でいたいのに、負担ばっかりかけると思ったから、相談する前に二つ返事で快諾してしまった。

ダメと言われるとも思わなかったけど。


「じゃあ、年末は大忙しだな」

「うん。ーーあ、高峰のご両親にあいさつするの、いつがいいかな」

「あー……夏に一度帰国するって」


結婚の実感はわかなくても、ちゃんとルールは分かってる。

中学のときに話を聞いて、いつか高峰のご両親に会いたいと思っていたけど、こんな形になるなんて思わなかった。


「ちゃんとそういう場は設けたいな。両家あいさつみたいなの」

「うん!ちゃんと日程調整しないといけないね」