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ギブアンドテイク【後編】

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2週間に一度のペースで来ないとダメだな、人が住めない。

そう言って、貯金もしないといけないのに、高峰は優先順位にわたしを置いてくれた。

大きな買い物をがまんすれば、意外と貯まるらしい。


「え、指輪つけてないの?」

「だって、こわいんだもん」

「見せつけるようにつけないと、意味ないだろー。サイズ直したらちゃんとつけてくれ」


必然的に、指輪のサイズ直しには次の週しかなくて。

日曜の朝に百貨店に行くとして、土曜の今日はゆっくり過ごすことになった。

1泊にしては大荷物のわたしのキャリーバッグには1週間分のブラウスが入っていて、つまりはどちらの家にいても仕事は変わらない。


「えーそもそも見せつけるって、誰に?」

「……そりゃあ、いろいろだよ」

「キズでもついたら嫌だもん。一生の宝物にするんだから」


一生の宝物って!と照れながら、タンスの肥やしにでもすんのかよーという矛盾した視線。

……大切にしまっておかないと部屋で失くしそうだなんて言ったら、泣かれそう。

あ、納得するかな。


「じゃあ高峰に会うときは、つける」

「……あーうん。とりあえずはそれ、で、いい、か」


高峰はすごく残念そうに、理解してくれた。