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ギブアンドテイク【後編】

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一通り話したら、泣かれた。


「ずっと好きだったとか……ピュアすぎて泣けるわ。洗濯とか完全に男と思われてないしな、ぶっははは!ーーまあ、よかったんじゃん」

「笑いすぎての涙じゃないですか」

「細かいこと気にすんなよ。まあなあ、ずっと好きだったけど彼女作ろうとしてたのは、言わなくて正解だと思うわ。怒られるわ」


あーおかしー、と涙をぬぐいながら、俺の気がかりをひとつ解いていく。

他人に冷静に要約されると、情けない話だと思う。

自覚してるからなおさら。


「結婚は人生の墓場なんて言うけど、気心知れた仲なら大丈夫なんだろうな」

「他よりは、将来がよく見えてる方だとは思いますね」

「……家事のほとんどやる羽目になると分かってプロポーズするんだからな」


話せば話すほど、上司の中で俺の人となりの印象はどん底に落ちている気がする。


「ま、結婚式は呼んでくれよ。スピーチしてやろう」

「……どうせ今話したことを全部言っちゃうんでしょう」

「そんなこと俺がすると思うか?」


絶対言うだろ。

話してはいけない人に話してしまった……頭が痛い。