ギブアンドテイク【後編】
動揺したんだな。
「ま、そんなに言いたくないなら聞かないけど……無性にお腹すいちゃったな。みそ汁作ったら食べる?」
「食べる。食べたい」
「おっけー。ま、ダシはインスタントでいいか。ちゃんと冷やしときなよ」
さっきまで歯切れ悪かったくせに、ことご飯のことになると即答するのが高峰らしい。
野菜室から出したキャベツとニンジン、タマネギを小さく切って、沸かしたお湯に入れて煮る。
そこにインスタントのだしと、みそを溶き入れて、少し待ってから味見。
「うん、おいしい」
凝ったことはなにもしてないみそ汁。
ソースはウスターソースとケチャップで簡単に作った、冷凍保存してたハンバーグ。
同じく冷凍保存していた、茶わん1杯分のご飯。
「テーブル片付けたぞ」
「ありがとう。こっちも出来たから運んでくれる?」
「あーうまそう……久しぶりだな、滝本のご飯」
心底うれしそうな高峰の素直な言葉に、嫌な気になるわけがない。
でも、少し残念だと思うのは、あり合わせでご飯を作ったこと。
初めに誘ったときは、もっといろいろ時間をかけて用意して、彼の好物を並べるつもりだったのに。
「慌てて出来合いのものをそろえただけでなんにも時間かけてないから、晩ごはんはちゃんと買い出して作るね」
「バカだな。ーー俺には十分ごちそうなんだけど」
「接待とかでいいところのいいもん食べてるくせに、こんなのをごちそうって言わないでしょ」
高峰にちゃかす気がないのは分かるけど、素直に聞けない自分がいる。
「ま、そんなに言いたくないなら聞かないけど……無性にお腹すいちゃったな。みそ汁作ったら食べる?」
「食べる。食べたい」
「おっけー。ま、ダシはインスタントでいいか。ちゃんと冷やしときなよ」
さっきまで歯切れ悪かったくせに、ことご飯のことになると即答するのが高峰らしい。
野菜室から出したキャベツとニンジン、タマネギを小さく切って、沸かしたお湯に入れて煮る。
そこにインスタントのだしと、みそを溶き入れて、少し待ってから味見。
「うん、おいしい」
凝ったことはなにもしてないみそ汁。
ソースはウスターソースとケチャップで簡単に作った、冷凍保存してたハンバーグ。
同じく冷凍保存していた、茶わん1杯分のご飯。
「テーブル片付けたぞ」
「ありがとう。こっちも出来たから運んでくれる?」
「あーうまそう……久しぶりだな、滝本のご飯」
心底うれしそうな高峰の素直な言葉に、嫌な気になるわけがない。
でも、少し残念だと思うのは、あり合わせでご飯を作ったこと。
初めに誘ったときは、もっといろいろ時間をかけて用意して、彼の好物を並べるつもりだったのに。
「慌てて出来合いのものをそろえただけでなんにも時間かけてないから、晩ごはんはちゃんと買い出して作るね」
「バカだな。ーー俺には十分ごちそうなんだけど」
「接待とかでいいところのいいもん食べてるくせに、こんなのをごちそうって言わないでしょ」
高峰にちゃかす気がないのは分かるけど、素直に聞けない自分がいる。
作品名:ギブアンドテイク【後編】 作家名:かずさ