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ギブアンドテイク【後編】

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掛け時計の秒針が、よく聞こえた。


「掃除するわ」

「え?」

「……今、理性保てる自信ない」


さっきのわたしのセリフを無視した言動に、ついていけない。

待って、わたし今、告白同然のこと言ったのに。

視線すら向けてくれないとか無視ですか、無視ですかねえ高峰さん。


「ちょっと!」

「……ごめん」

「ごめんじゃわからない!」


1ヶ月前、わたしが好意を無視した仕返し?

背を向けた彼の腕をつかもうとすると、振り払われた。

ムカついたから、それに抗って腕をつねってやる。


「いてっ!ーー滝本おまえな……勘弁してくれよ」


つねられた腕は払わないで、彼は困ったようにわたしを見た。

絡まった視線が、いまだかつてないほどに大人っぽくて。

ーー思わず、息を止めてしまった。


「……ちょっと、なんで息してないの」

「っぷ、はっ!つ、つい?」

「ははっ!なんだそれ。あーもう、好きすぎるわ」


!!?