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ギブアンドテイク【後編】

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それは、お互いさまだと思う。


「それは、高峰も同じでしょ」


レトルト食品や冷凍食品でも、今はおいしいものがたくさんある。

レストランに行けば温かいご飯が食べられるし、食に関して困ることはない。

わたしとは違う。


「わたしが作るよりおいしいものはたくさんあるじゃない。でも、わたしは掃除ができないから、高峰がいないとまともに暮らせないの」

「そんなの……ハウスキーパー雇えば終わりじゃねーか」

「違うよ。誰でもいいわけじゃない」


佐倉くんには悪いけど、 掃除機をかけてもらったとき、気付いてた。

リビングに掃除機かける以外の、たとえば本棚を整理したり、自分の部屋に入られたりすることが、 提言されても許せなかった。

はずかしいとか、そういう気持ちでなく、ただ嫌だと思った。


「高峰がいいの。他じゃだめなの」

「それは、……俺が弟みたいだからだろ」

「ーーそうだと、思ってたんだけどね」


家族みたいに思ってるから、平気だと思ってたけど……実際離れてみたら、さみしい。

連絡をとってしまえば、声が聞きたくなって、会いたくなった。

部屋がこんなにも汚くて、狭いのは彼のせい。


「離れてみてわかったの。高峰がいないと、どうしようもなく、さみしいの」


あなたの言ったとおり。

花田ちゃん、わたし、もう認めるしかない。

好きなんだわ、高峰のことが。